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小説と木
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  15. ユズ 1箇所

宮尾登美子の小説「生きてゆく力」に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は2009年、文庫本におけるページ数は243ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
26 或いは板からの看板にそのとおりを写し取ってゆく。
35 チャ 葉の葉 優勝を狙って興奮剤の葉の葉をしこたま食べさせ、
38 おひつ おひつ 彼女たちはおひつの傍らに座って、
40 マツ 白砂青松 この漁師町の白砂青松の景はいまも忘れられぬ。
52 柳行李 柳行李 小さな柳行李から新しい薬を取り出し、
58 サクラ 桜の木 シャツ一枚で庭の桜の木の下に立っている。
58 桜の木 シャツ一枚で庭の桜の木の下に立っている。
59 サクラ 桜の木 白い手拭いをかぶって桜の木の下に立っているのだった。
59 桜の木 白い手拭いをかぶって桜の木の下に立っているのだった。
96 キリ 桐下駄 季節がくると上等の桐下駄を箱に入れ、
96 下駄 下駄 下駄のことからいきたい。
96 下駄 下駄 やはり足は下駄という昔なつかしい異様な装束となってしまうのである。
96 下駄 下駄 下駄は大昔から日本人が愛用して来た履物だけに、
97 下駄 桐下駄 季節がくると上等の桐下駄を箱に入れ、
97 下駄 下駄 下駄と思われる箱が積み上げられるのは一種の安心で、
97 下駄 下駄屋 戦前は下駄屋さんが実に多かった。
97 材質 材質 かたち、材質、鼻緒の好み千差万別あり、
98 センダン 栴檀の木 私の家の庭の隅に一本の栴檀の木があり、伸びすぎてほかの植物に日陰を作るので伐らねば、
98 下駄 下駄 まもなく三年以上は下駄と定められ、
98 下駄 駄製造業者 折りよく下駄製造業者が譲ってくれという。
99 下駄 下駄 金はいらないから下駄と交換、という約束で木を伐らせ、
99 下駄 下駄好き 下駄好きの私など、下駄屋を捜すのが一苦労というありさまになってしまったし、
99 下駄屋 下駄屋 下駄好きの私など、下駄屋を捜すのが一苦労というありさまになってしまったし、
99 栴檀 栴檀 伐ったばかりの栴檀はまだたっぷりと水分を含み、当時一番重いとされた、
99 朴歯 朴歯の木履( 若者のはく「朴歯の木履(ぼくり)」よりもまだもっと、
99 金はいらないから下駄と交換、という約束で木を伐らせ、
99 木履 朴歯の木履( 若者のはく「朴歯の木履(ぼくり)」よりもまだもっと、
100 キリ このかたちは桐などの軽い下駄のみに見られたもの。
100 キリ 桐の台付 こんな桐の台付きでは歯替えやさんの出番はないが、
100 下駄 下駄 いまの下駄は、裏についているふたつの歯とも表の台と同じ素材で、
100 下駄 下駄 このかたちは桐などの軽い下駄のみに見られたもの。
100 下駄 下駄 「木履」と呼ぶ歯の取替えができる下駄をはくようになってからは、
100 一枚の木 つまり一枚の木を歯と台のかたちに抉(えぐ)りめいたものを
100 堅い木の歯 木履は台の裏に二つのみどを彫り、そこに堅い木の歯をはめこむもので、
100 木履 木履 「木履」と呼ぶ歯の取替えができる下駄をはくようになってからは、
100 木履 木履 木履は台の裏に二つのみどを彫り、そこに堅い木の歯をはめこむもので、
100 木履 雨木履 以前は雨木履と呯び、
101 ホウ 朴歯木履 学生のはく朴歯木履などでは
101 槌で叩いて まずちびた歯を槌で叩いて外し、
101 木履 朴歯木履 学生のはく朴歯木履などでは
101 木履 木履 但し、木履は背が高くてすこぶる不安定なので、
124 柏手 柏手 全員門口に並んで柏手を打ち、
124 門松 門松 そして家の大掃除や門松も、
124 門松 門松 門松の大きさはその家の威勢を示すもので、
125 襖や障子のみぞ 襖や障子のみぞは順番どおり、
125 障子 襖や障子のみぞ 襖や障子のみぞは順番どおり、
133 ユズ 柚子 上にちょっぴり柚子をすりおろすだけの食べ方。
134 ユズ 柚子 銅(あか)のおろしで擦った柚子の皮の緑を美しく散らし、
140 薪を燃やすと炎は居室の床にひきこまれ、
147 シイ 椎売り もうひとつ椎売りもある。
147 シイ 椎の実 落ちた椎の実を拾って来て、
147 シイ 椎の実 椎の実はたてに割れ目ができ、
147 シイ 椎売り お櫃の中にはどの椎売りも必ず赤い毛糸を敷いてある。
147 飯櫃の これを飯櫃の中に入れ、
147 お櫃 お櫃の中にはどの椎売りも必ず赤い毛糸を敷いてある。
148 シイ 椎の実 いま椎の実を食べる人なんか、
151 ヤマモモ 楊梅 楊梅(やまもも)も、キビ団子も
152 ヤマモモ やまもも売り 「やまもも売り」などは高知県だけのものではないだろうか。
152 ヤマモモ 楊梅の木 楊梅の木は潮風の吹き通す土佐の山間部に生えているもので、
152 飴の棒 白い飴の棒をくわえて喜ぶ
153 ヤマモモ 楊梅の大木 六本木公園にはこの楊梅の大木があり、
153 ヤマモモ 楊梅の実 熟れておいしそうにふらんだ楊梅の実がたくさんたくさん、
153 ヤマモモ 楊梅の実 楊梅の実は、入梅の少し前、ほんの一週間ほどのあいだ
153 ヤマモモ 十市の楊梅売りが 「今日辺り十市の楊梅売りが来はすまいかねえ」
153 ヤマモモ 楊梅 案の定、今朝摘みの楊梅を二つのかごにのせ、
153 ヤマモモ 楊梅はえー 「えー、楊梅はえー」
153 ヤマモモ 楊梅は乱暴に扱ってはいけない 弾けかえるほど熟れた楊梅は乱暴に扱ってはいけない。
153 入梅 入梅の少し前 楊梅の実は、入梅の少し前、ほんの一週間ほどのあいだ
154 ヤマモモ 楊梅売り 冒頭にまずこの楊梅売りの風景を描いた。
154 ヤマモモ 楊梅売り この楊梅売りのあの呯び声だった。
154 面白い唄をうたいながら杵できび餅をついてくれるのである。
169 ヒイラギ 柊の枝を 大人たちは青物屋から柊の枝を買って来て雑魚の頭を突き刺し、
169 櫂なのか かい釣りのかいは、櫂なのか貝なのか知らないけれど、
176 サクラ 散ってさびしい桜 咲いてうれしく、散ってさびしい桜
176 サクラ 桜の宴 桜の宴、ですぐさま思い起こされるのは、
176 サクラ 万朶の桜 万朶の桜の下で催された後白河法皇の
176 サクラ 桜かざし 桜かざして舞い踊る二人の上気した頬、
176 花吹雪 花吹雪 折からのあるかなきか花吹雪、
177 サクラ 桜の定命 「咲いたあとは必ず散る」という桜の定命と、
177 サクラ 桜を好きな人は多いが、
177 サクラ 我が家の桜 我が家の桜を思い出すたび、
177 サクラ 山桜の大木 転居祝いに贈ってくれたのが、山桜の大木だった。
177 サクラ 山桜 ただ、山桜というのはまことにつつましい花で、葉のかげに隠れてひっそりと咲くので、
177 枝を伸ばし 天に向かって枝を伸ばしはじめたのだつた。
177 梢の先端 梢の先端は二階の屋根瓦をはるかに越すくらいの
177 大木 山桜の大木 転居祝いに贈ってくれたのが、山桜の大木だった。
177 大木 こんな大木 庭が広かったのでこんな大木を選んでくれたのだと思うが、
177 葉のかげ ただ、山桜というのはまことにつつましい花で、葉のかげに隠れてひっそりと咲くので、
177 葉ばかり 見上げると葉ばかり、
178 サクラ 桜花らんまん それでも、低い木ばかりの我が家の庭に、桜花らんまん、というと何やら
178 サクラ 桜の木 この桜の木に茣蓙(ござ)を敷いて手作りの五目ずしなど拡げ、梢におぼろ月がかかる刻限まで、
178 花見 花見の宴 しかし、この花見の宴は残念なことにこれ一回きり、
178 花見 花見の宴 それが昂じて、花見の宴のあと、
178 この桜の木に茣蓙(ござ)を敷いて手作りの五目ずしなど拡げ、梢におぼろ月がかかる刻限まで、
178 低い木 それでも、低い木ばかりの我が家の庭に、桜花らんまん、というと何やら
179 サクラ
事情こそ違え、桜にまつわる悲しい話として、
179 サクラ 桜は、けんらん豪奢に咲き誇って人に愉楽をもたせてくれるかと思えば、散ったあとの愁(うれ)いをしみじみと噛みしめさせられる。そんな変幻自在の魅力を持つ花だといえようか。
180 下駄 柾目の下駄 柾目の下駄などはいて出かけることもありました。
180 柾目 柾目の下駄 柾目の下駄などはいて出かけることもありました。
183 羽子板 羽子板 家の前に出て羽子板をついていたり、
183 腰板 袴の腰板 私の前を歩く兄の袴の腰板が、
185 サクラ 桜の着物 当日だけしか着られない桜の着物を作りましょう
185 サクラ しだれ桜 拡がっているのは薄紅いろのしだれ桜で、
185 花びら 散り急いだ花びら 散り急いだ花びらは着物の裾に重なっていて、
185 葉の緑 わずかながらも芽をふきはじめた葉の緑が描かれてあるのです。
186 サクラ 葉の出た桜 やや葉の出た桜を眺めるのにはぴったりの季節となっており、
186 花むしろ 落花の花むしろ ここには落花の花むしろでした。
186 葉の出た桜 やや葉の出た桜を眺めるのにはぴったりの季節となっており、
187 サクラ 桜の着物 この桜の着物をサワ子嬢に贈ることにしました。
187 サクラ 桜の着物 そのあと桜の着物に着替えて、
187 サクラ サクラの東洋美人 ニッポン、サクラの東洋美人を大いに大いに歓迎し、
189 米は木に生る 米は木に生るものだとばかり思っていたから、
191 クワ 桑を食(は)む 桑を食(は)む音の異様さ、独特の匂い、
191 クワ 桑を食(は)む 絶えまなく桑を食(は)む雨音のような響きが家中にひびきわたる。
191 クワ 桑の葉 蚕は濡れた桑を嫌う故に、雨が降れば桑の葉を布で拭わねばならないから、
191 クワ 濡れた桑 蚕は濡れた桑を嫌う故に、雨が降れば桑の葉を布で拭わねばならないから、
200 ヤナギ 楊の籠 水を汲む見慣れた楊の籠もそのままあった。
200 ヤナギ 楊の木 目印の大きな楊の木こそないものの、
200 農作物の根っこ 燃料は農作物の根っこをかまどで焚いている。
201 ポプラ ポプラ並木道 ポプラ並木道がはるか続いており、
201 根も葉もない 根も葉もない 全く根も葉もないことではあろうけど、
201 樹木 樹木 樹木がひどく多くなっていることに気がついた。
201 森や林 あちらにこんもり、こちらにこんもりと、森や林ができ、
201 並木道 ポプラ並木道 ポプラ並木道がはるか続いており、
201 木を植えた 簡単に埋葬した上に木を植えたのだという話を聞いたことがある。
201 森や林 あちらにこんもり、こちらにこんもりと、森や林ができ、
208 ウメ 梅の枝 生田の森の合戦に箙(えびら)に梅の枝を差して奮戦したという軍談が始まった。
208 梅の枝 生田の森の合戦に箙(えびら)に梅の枝を差して奮戦したという軍談が始まった。
211 ナンテン 南天 糸よりなどに南天その他の青い葉を差して届けたもので、
211 その他の青い葉 糸よりなどに南天その他の青い葉を差して届けたもので、
215 サクラ 日本一早いという桜 春は日本一早いという桜が咲き、中之島の柳、法師ケ鼻の松など絶景が望めたものである。
215 マツ 法師ケ鼻の松 春は日本一早いという桜が咲き、中之島の柳、法師ケ鼻の松など絶景が望めたものである。
215 ヤナギ 中之島の柳 春は日本一早いという桜が咲き、中之島の柳、法師ケ鼻の松など絶景が望めたものである。
216 重箱 重箱 次から次へと重箱に入れていく
216 重箱 重箱 重箱に何か入っているのかを覘(のぞ)いてまわった。
218 経木 経木の箱 お土産は、経木の箱に、縦半分に鯵(あじ)か鯖の姿寿司、
218 箸で身を崩しながら食べるのだ。
219 ヤマモモ 楊梅 「櫂」の冒頭に出てくる楊梅(やまもも)は、
219 ヤマモモ 空を飛んできた楊梅 空を飛んできた楊梅はいささか実が硬いように思われる。
219 ヤマモモ あの楊梅 たくさん食べたあの楊梅はもうどこにもない
219 ヤマモモ 大きな楊梅の木 六本木公園に大きな楊梅の木があって、周りに熟しきった実がぼたぼた落ちており、
219 空を飛んできた楊梅はいささか実が硬いように思われる。
219 熟しきった実 六本木公園に大きな楊梅の木があって、周りに熟しきった実がぼたぼた落ちており、
232 裸木 裸木になった落葉樹 すっかり裸木になった落葉樹のあいだを散策したが、
232 落葉樹 裸木になった落葉樹 すっかり裸木になった落葉樹のあいだを散策したが、
233 サクラ 派手な桜 いつも派手な桜なのに、と思いつつも
233 鉛筆 鉛筆 鉛筆は削って揃えてありますか、
235 サクラ さくらの花びら そのお骨はまるでさくらの花びらのようにうすくはかなく、
236 格子戸 格子戸 私がお馴染みの格子戸を開けて訪(と)うのは、
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