26 |
板 |
板 |
或いは板からの看板にそのとおりを写し取ってゆく。 |
35 |
チャ |
葉の葉 |
優勝を狙って興奮剤の葉の葉をしこたま食べさせ、 |
38 |
おひつ |
おひつ |
彼女たちはおひつの傍らに座って、 |
40 |
マツ |
白砂青松 |
この漁師町の白砂青松の景はいまも忘れられぬ。 |
52 |
柳行李 |
柳行李 |
小さな柳行李から新しい薬を取り出し、 |
58 |
サクラ |
桜の木 |
シャツ一枚で庭の桜の木の下に立っている。 |
58 |
木 |
桜の木 |
シャツ一枚で庭の桜の木の下に立っている。 |
59 |
サクラ |
桜の木 |
白い手拭いをかぶって桜の木の下に立っているのだった。 |
59 |
木 |
桜の木 |
白い手拭いをかぶって桜の木の下に立っているのだった。 |
96 |
キリ |
桐下駄 |
季節がくると上等の桐下駄を箱に入れ、 |
96 |
下駄 |
下駄 |
下駄のことからいきたい。 |
96 |
下駄 |
下駄 |
やはり足は下駄という昔なつかしい異様な装束となってしまうのである。 |
96 |
下駄 |
下駄 |
下駄は大昔から日本人が愛用して来た履物だけに、 |
97 |
下駄 |
桐下駄 |
季節がくると上等の桐下駄を箱に入れ、 |
97 |
下駄 |
下駄 |
下駄と思われる箱が積み上げられるのは一種の安心で、 |
97 |
下駄 |
下駄屋 |
戦前は下駄屋さんが実に多かった。 |
97 |
材質 |
材質 |
かたち、材質、鼻緒の好み千差万別あり、 |
98 |
センダン |
栴檀の木 |
私の家の庭の隅に一本の栴檀の木があり、伸びすぎてほかの植物に日陰を作るので伐らねば、 |
98 |
下駄 |
下駄 |
まもなく三年以上は下駄と定められ、 |
98 |
下駄 |
駄製造業者 |
折りよく下駄製造業者が譲ってくれという。 |
99 |
下駄 |
下駄 |
金はいらないから下駄と交換、という約束で木を伐らせ、 |
99 |
下駄 |
下駄好き |
下駄好きの私など、下駄屋を捜すのが一苦労というありさまになってしまったし、 |
99 |
下駄屋 |
下駄屋 |
下駄好きの私など、下駄屋を捜すのが一苦労というありさまになってしまったし、 |
99 |
栴檀 |
栴檀 |
伐ったばかりの栴檀はまだたっぷりと水分を含み、当時一番重いとされた、 |
99 |
朴歯 |
朴歯の木履( |
若者のはく「朴歯の木履(ぼくり)」よりもまだもっと、 |
99 |
木 |
木 |
金はいらないから下駄と交換、という約束で木を伐らせ、 |
99 |
木履 |
朴歯の木履( |
若者のはく「朴歯の木履(ぼくり)」よりもまだもっと、 |
100 |
キリ |
桐 |
このかたちは桐などの軽い下駄のみに見られたもの。 |
100 |
キリ |
桐の台付 |
こんな桐の台付きでは歯替えやさんの出番はないが、 |
100 |
下駄 |
下駄 |
いまの下駄は、裏についているふたつの歯とも表の台と同じ素材で、 |
100 |
下駄 |
下駄 |
このかたちは桐などの軽い下駄のみに見られたもの。 |
100 |
下駄 |
下駄 |
「木履」と呼ぶ歯の取替えができる下駄をはくようになってからは、 |
100 |
木 |
一枚の木 |
つまり一枚の木を歯と台のかたちに抉(えぐ)りめいたものを |
100 |
木 |
堅い木の歯 |
木履は台の裏に二つのみどを彫り、そこに堅い木の歯をはめこむもので、 |
100 |
木履 |
木履 |
「木履」と呼ぶ歯の取替えができる下駄をはくようになってからは、 |
100 |
木履 |
木履 |
木履は台の裏に二つのみどを彫り、そこに堅い木の歯をはめこむもので、 |
100 |
木履 |
雨木履 |
以前は雨木履と呯び、 |
101 |
ホウ |
朴歯木履 |
学生のはく朴歯木履などでは |
101 |
槌 |
槌で叩いて |
まずちびた歯を槌で叩いて外し、 |
101 |
木履 |
朴歯木履 |
学生のはく朴歯木履などでは |
101 |
木履 |
木履 |
但し、木履は背が高くてすこぶる不安定なので、 |
124 |
柏手 |
柏手 |
全員門口に並んで柏手を打ち、 |
124 |
門松 |
門松 |
そして家の大掃除や門松も、 |
124 |
門松 |
門松 |
門松の大きさはその家の威勢を示すもので、 |
125 |
襖 |
襖や障子のみぞ |
襖や障子のみぞは順番どおり、 |
125 |
障子 |
襖や障子のみぞ |
襖や障子のみぞは順番どおり、 |
133 |
ユズ |
柚子 |
上にちょっぴり柚子をすりおろすだけの食べ方。 |
134 |
ユズ |
柚子 |
銅(あか)のおろしで擦った柚子の皮の緑を美しく散らし、 |
140 |
薪 |
薪 |
薪を燃やすと炎は居室の床にひきこまれ、 |
147 |
シイ |
椎売り |
もうひとつ椎売りもある。 |
147 |
シイ |
椎の実 |
落ちた椎の実を拾って来て、 |
147 |
シイ |
椎の実 |
椎の実はたてに割れ目ができ、 |
147 |
シイ |
椎売り |
お櫃の中にはどの椎売りも必ず赤い毛糸を敷いてある。 |
147 |
飯 |
飯櫃の |
これを飯櫃の中に入れ、 |
147 |
櫃 |
お櫃 |
お櫃の中にはどの椎売りも必ず赤い毛糸を敷いてある。 |
148 |
シイ |
椎の実 |
いま椎の実を食べる人なんか、 |
151 |
ヤマモモ |
楊梅 |
楊梅(やまもも)も、キビ団子も |
152 |
ヤマモモ |
やまもも売り |
「やまもも売り」などは高知県だけのものではないだろうか。 |
152 |
ヤマモモ |
楊梅の木 |
楊梅の木は潮風の吹き通す土佐の山間部に生えているもので、 |
152 |
棒 |
飴の棒 |
白い飴の棒をくわえて喜ぶ |
153 |
ヤマモモ |
楊梅の大木 |
六本木公園にはこの楊梅の大木があり、 |
153 |
ヤマモモ |
楊梅の実 |
熟れておいしそうにふらんだ楊梅の実がたくさんたくさん、 |
153 |
ヤマモモ |
楊梅の実 |
楊梅の実は、入梅の少し前、ほんの一週間ほどのあいだ |
153 |
ヤマモモ |
十市の楊梅売りが |
「今日辺り十市の楊梅売りが来はすまいかねえ」 |
153 |
ヤマモモ |
楊梅 |
案の定、今朝摘みの楊梅を二つのかごにのせ、 |
153 |
ヤマモモ |
楊梅はえー |
「えー、楊梅はえー」 |
153 |
ヤマモモ |
楊梅は乱暴に扱ってはいけない |
弾けかえるほど熟れた楊梅は乱暴に扱ってはいけない。 |
153 |
入梅 |
入梅の少し前 |
楊梅の実は、入梅の少し前、ほんの一週間ほどのあいだ |
154 |
ヤマモモ |
楊梅売り |
冒頭にまずこの楊梅売りの風景を描いた。 |
154 |
ヤマモモ |
楊梅売り |
この楊梅売りのあの呯び声だった。 |
154 |
杵 |
杵 |
面白い唄をうたいながら杵できび餅をついてくれるのである。 |
169 |
ヒイラギ |
柊の枝を |
大人たちは青物屋から柊の枝を買って来て雑魚の頭を突き刺し、 |
169 |
櫂 |
櫂なのか |
かい釣りのかいは、櫂なのか貝なのか知らないけれど、 |
176 |
サクラ |
散ってさびしい桜 |
咲いてうれしく、散ってさびしい桜 |
176 |
サクラ |
桜の宴 |
桜の宴、ですぐさま思い起こされるのは、 |
176 |
サクラ |
万朶の桜 |
万朶の桜の下で催された後白河法皇の |
176 |
サクラ |
桜かざし |
桜かざして舞い踊る二人の上気した頬、 |
176 |
花吹雪 |
花吹雪 |
折からのあるかなきか花吹雪、 |
177 |
サクラ |
桜の定命 |
「咲いたあとは必ず散る」という桜の定命と、 |
177 |
サクラ |
桜 |
桜を好きな人は多いが、 |
177 |
サクラ |
我が家の桜 |
我が家の桜を思い出すたび、 |
177 |
サクラ |
山桜の大木 |
転居祝いに贈ってくれたのが、山桜の大木だった。 |
177 |
サクラ |
山桜 |
ただ、山桜というのはまことにつつましい花で、葉のかげに隠れてひっそりと咲くので、 |
177 |
枝 |
枝を伸ばし |
天に向かって枝を伸ばしはじめたのだつた。 |
177 |
梢 |
梢の先端 |
梢の先端は二階の屋根瓦をはるかに越すくらいの |
177 |
大木 |
山桜の大木 |
転居祝いに贈ってくれたのが、山桜の大木だった。 |
177 |
大木 |
こんな大木 |
庭が広かったのでこんな大木を選んでくれたのだと思うが、 |
177 |
葉 |
葉のかげ |
ただ、山桜というのはまことにつつましい花で、葉のかげに隠れてひっそりと咲くので、 |
177 |
葉 |
葉ばかり |
見上げると葉ばかり、 |
178 |
サクラ |
桜花らんまん |
それでも、低い木ばかりの我が家の庭に、桜花らんまん、というと何やら |
178 |
サクラ |
桜の木 |
この桜の木に茣蓙(ござ)を敷いて手作りの五目ずしなど拡げ、梢におぼろ月がかかる刻限まで、 |
178 |
花見 |
花見の宴 |
しかし、この花見の宴は残念なことにこれ一回きり、 |
178 |
花見 |
花見の宴 |
それが昂じて、花見の宴のあと、 |
178 |
梢 |
梢 |
この桜の木に茣蓙(ござ)を敷いて手作りの五目ずしなど拡げ、梢におぼろ月がかかる刻限まで、 |
178 |
木 |
低い木 |
それでも、低い木ばかりの我が家の庭に、桜花らんまん、というと何やら |
179 |
サクラ |
|
事情こそ違え、桜にまつわる悲しい話として、 |
179 |
サクラ |
桜 |
桜は、けんらん豪奢に咲き誇って人に愉楽をもたせてくれるかと思えば、散ったあとの愁(うれ)いをしみじみと噛みしめさせられる。そんな変幻自在の魅力を持つ花だといえようか。 |
180 |
下駄 |
柾目の下駄 |
柾目の下駄などはいて出かけることもありました。 |
180 |
柾目 |
柾目の下駄 |
柾目の下駄などはいて出かけることもありました。 |
183 |
羽子板 |
羽子板 |
家の前に出て羽子板をついていたり、 |
183 |
腰板 |
袴の腰板 |
私の前を歩く兄の袴の腰板が、 |
185 |
サクラ |
桜の着物 |
当日だけしか着られない桜の着物を作りましょう |
185 |
サクラ |
しだれ桜 |
拡がっているのは薄紅いろのしだれ桜で、 |
185 |
花びら |
散り急いだ花びら |
散り急いだ花びらは着物の裾に重なっていて、 |
185 |
葉 |
葉の緑 |
わずかながらも芽をふきはじめた葉の緑が描かれてあるのです。 |
186 |
サクラ |
葉の出た桜 |
やや葉の出た桜を眺めるのにはぴったりの季節となっており、 |
186 |
花むしろ |
落花の花むしろ |
ここには落花の花むしろでした。 |
186 |
葉 |
葉の出た桜 |
やや葉の出た桜を眺めるのにはぴったりの季節となっており、 |
187 |
サクラ |
桜の着物 |
この桜の着物をサワ子嬢に贈ることにしました。 |
187 |
サクラ |
桜の着物 |
そのあと桜の着物に着替えて、 |
187 |
サクラ |
サクラの東洋美人 |
ニッポン、サクラの東洋美人を大いに大いに歓迎し、 |
189 |
木 |
米は木に生る |
米は木に生るものだとばかり思っていたから、 |
191 |
クワ |
桑を食(は)む |
桑を食(は)む音の異様さ、独特の匂い、 |
191 |
クワ |
桑を食(は)む |
絶えまなく桑を食(は)む雨音のような響きが家中にひびきわたる。 |
191 |
クワ |
桑の葉 |
蚕は濡れた桑を嫌う故に、雨が降れば桑の葉を布で拭わねばならないから、 |
191 |
クワ |
濡れた桑 |
蚕は濡れた桑を嫌う故に、雨が降れば桑の葉を布で拭わねばならないから、 |
200 |
ヤナギ |
楊の籠 |
水を汲む見慣れた楊の籠もそのままあった。 |
200 |
ヤナギ |
楊の木 |
目印の大きな楊の木こそないものの、 |
200 |
根 |
農作物の根っこ |
燃料は農作物の根っこをかまどで焚いている。 |
201 |
ポプラ |
ポプラ並木道 |
ポプラ並木道がはるか続いており、 |
201 |
根も葉もない |
根も葉もない |
全く根も葉もないことではあろうけど、 |
201 |
樹木 |
樹木 |
樹木がひどく多くなっていることに気がついた。 |
201 |
森 |
森や林 |
あちらにこんもり、こちらにこんもりと、森や林ができ、 |
201 |
並木道 |
ポプラ並木道 |
ポプラ並木道がはるか続いており、 |
201 |
木 |
木を植えた |
簡単に埋葬した上に木を植えたのだという話を聞いたことがある。 |
201 |
林 |
森や林 |
あちらにこんもり、こちらにこんもりと、森や林ができ、 |
208 |
ウメ |
梅の枝 |
生田の森の合戦に箙(えびら)に梅の枝を差して奮戦したという軍談が始まった。 |
208 |
枝 |
梅の枝 |
生田の森の合戦に箙(えびら)に梅の枝を差して奮戦したという軍談が始まった。 |
211 |
ナンテン |
南天 |
糸よりなどに南天その他の青い葉を差して届けたもので、 |
211 |
葉 |
その他の青い葉 |
糸よりなどに南天その他の青い葉を差して届けたもので、 |
215 |
サクラ |
日本一早いという桜 |
春は日本一早いという桜が咲き、中之島の柳、法師ケ鼻の松など絶景が望めたものである。 |
215 |
マツ |
法師ケ鼻の松 |
春は日本一早いという桜が咲き、中之島の柳、法師ケ鼻の松など絶景が望めたものである。 |
215 |
ヤナギ |
中之島の柳 |
春は日本一早いという桜が咲き、中之島の柳、法師ケ鼻の松など絶景が望めたものである。 |
216 |
重箱 |
重箱 |
次から次へと重箱に入れていく |
216 |
重箱 |
重箱 |
重箱に何か入っているのかを覘(のぞ)いてまわった。 |
218 |
経木 |
経木の箱 |
お土産は、経木の箱に、縦半分に鯵(あじ)か鯖の姿寿司、 |
218 |
箸 |
箸 |
箸で身を崩しながら食べるのだ。 |
219 |
ヤマモモ |
楊梅 |
「櫂」の冒頭に出てくる楊梅(やまもも)は、 |
219 |
ヤマモモ |
空を飛んできた楊梅 |
空を飛んできた楊梅はいささか実が硬いように思われる。 |
219 |
ヤマモモ |
あの楊梅 |
たくさん食べたあの楊梅はもうどこにもない |
219 |
ヤマモモ |
大きな楊梅の木 |
六本木公園に大きな楊梅の木があって、周りに熟しきった実がぼたぼた落ちており、 |
219 |
実 |
実 |
空を飛んできた楊梅はいささか実が硬いように思われる。 |
219 |
実 |
熟しきった実 |
六本木公園に大きな楊梅の木があって、周りに熟しきった実がぼたぼた落ちており、 |
232 |
裸木 |
裸木になった落葉樹 |
すっかり裸木になった落葉樹のあいだを散策したが、 |
232 |
落葉樹 |
裸木になった落葉樹 |
すっかり裸木になった落葉樹のあいだを散策したが、 |
233 |
サクラ |
派手な桜 |
いつも派手な桜なのに、と思いつつも |
233 |
鉛筆 |
鉛筆 |
鉛筆は削って揃えてありますか、 |
235 |
サクラ |
さくらの花びら |
そのお骨はまるでさくらの花びらのようにうすくはかなく、 |
236 |
格子戸 |
格子戸 |
私がお馴染みの格子戸を開けて訪(と)うのは、 |