柵 |
柵 |
8 |
ちょうど膝くらいの高さの柵でかこまれた、 |
森 |
森や藪 |
36 |
猛獣や毒虫がうようよしている、森や藪みたいなものだから、 |
枯葉 |
枯葉 |
40 |
枯葉に埋もれて動かない女、その枯葉の下で、 |
枯葉 |
枯葉 |
40 |
枯葉に埋もれて動かない女、その枯葉の下で、 |
枯葉 |
枯葉 |
40 |
残りの枯葉も吹き散らす・・ |
枯葉 |
枯葉 |
40 |
こいつは枯葉の下の彼女なんかとは、 |
ゴムノキ |
ゴムの木 |
45 |
変色してしまったゴムの木の下で、 |
床板 |
床板の間 |
46 |
床板の間から、黒い油がにじみだす。 |
ベニヤ |
ベニ |
67 |
立つけの悪いベニヤのドアを、 |
柵 |
柵 |
86 |
柵の破れ目・・・・マッチ箱・・・・ |
マツ |
松の実 |
89 |
松の実から、赤貝の干物、おみくじの類(たぐ)いにいたるまで、 |
マツ |
松の実 |
89 |
松の実を十円分・・・・手のひらに受けて、 |
実 |
松の実 |
89 |
松の実から、赤貝の干物、おみくじの類(たぐ)いにいたるまで、 |
実 |
松の実 |
89 |
松の実を十円分・・・・手のひらに受けて、 |
割箸 |
割箸 |
90 |
割箸などは、わざわざ屑籠をさけて、 |
木目 |
木目 |
90 |
木目を印刷した合成樹脂の張り物であることに気付き、 |
小枝 |
小枝だらけ |
93 |
いや、そんな小枝だらけれの仮設は、もうまっぴら・・・・ |
植木 |
植木 |
101 |
植木の多い庭、ありふれた、しもた屋である。 |
炭屋 |
炭屋 |
103 |
「相変らずだって、昔はただの炭屋ですからね。」 |
炭屋 |
炭屋 |
103 |
まっ黒けの炭屋が、毎日風呂上がりみたいな、 |
炭屋 |
炭屋 |
105 |
いまさら、炭屋の泣言なんかに、 |
スギ |
ふしくれだった杉 |
106 |
ふしくれだった杉の老木が、 |
桶屋 |
桶屋 |
106 |
桶屋などもあったが、全体としてはかなり豊かだったらしい、 |
格子戸 |
格子戸 |
106 |
養蚕をしていたらしい格子戸の農家も目立つ・・・・ |
桑畑 |
桑畑 |
106 |
広いに庭には、桑畑が化けた小型自動車・・・ |
炭屋 |
炭屋 |
106 |
炭屋もブロパンガスのおかげで、 |
木の枝 |
木の枝 |
106 |
木の枝の一本々々か゜見分けられる程度の光がただよっているのに、 |
老木 |
杉の老木 |
106 |
ふしくれだった杉の老木が、 |
炭屋 |
炭屋 |
108 |
もとは炭屋でも、今は町会議員なのだから、 |
木の葉 |
木の葉 |
108 |
何か木の葉のような形だ。 |
板 |
板の上 |
115 |
幅三十センチ足らずの板の上に、 |
スギ |
杉の引戸 |
118 |
立てつけの悪い杉の引戸。 |
木 |
木から落ちる |
124 |
でも、猿も木から落ちるっていうからね。 |
軸 |
白い軸 |
126 |
マッチ箱のなかの、黒い軸と白い軸・・・・ |
軸 |
黒い軸 |
126 |
マッチ箱のなかの、黒い軸と白い軸・・・・ |
木影 |
木影 |
131 |
霧の中の木影りようなもの・・・・ |
ナシ |
梨畠 |
135 |
崖と、梨畠の土手にはさまれて、 |
ナシ |
梨畑 |
135 |
丘も、梨畑もそこで終わって、 |
根 |
根こそぎ |
135 |
畠も、家も、林も、根こそぎめくり取られた、 |
林 |
林も |
135 |
畠も、家も、林も、根こそぎめくり取られた、 |
積木 |
光の積木 |
136 |
光の積木のような活気をみなぎらせ、 |
板 |
雨除けの板 |
136 |
雨除けの板をわたし、床の後端が、 |
箸 |
箸 |
138 |
器用に箸にまいた生ラーメンを、 |
ベニヤ |
ベニヤ |
140 |
小さなくぐり戸のついたベニヤの仕切の位置を、目測する。 |
枝 |
梢や枝を |
140 |
丘の林の、梢や枝を、ひからびた無数の指が掻き鳴らしているのだ。 |
梢 |
梢や枝を |
140 |
丘の林の、梢や枝を、ひからびた無数の指が掻き鳴らしているのだ。 |
林 |
丘の林 |
140 |
丘の林の、梢や枝を、ひからびた無数の指が掻き鳴らしているのだ。 |
木 |
木の股 |
150 |
木の股にでもつっこみたくなった連中ででもなきゃ、 |
木片 |
木片 |
155 |
燃えている木片を、投げ込みはじめたのだ。 |
木片 |
木片 |
156 |
火を吹いている木片をふりまわしながら、 |
棒 |
白い棒 |
158 |
垂直に白い棒が一本、ひどく意味ありげだが、 |
樹液 |
樹液 |
161 |
樹液にむせかえるような遠い町・・・・ |
柵 |
その柵 |
164 |
その柵も、彼女には濡れた紙ほどの障害にもならず・・・・ |
丸木橋 |
丸木橋 |
166 |
丸木橋を渡るような目くばりで読み返しはじめる・・・・ |
クワ |
桑の実 |
176 |
桑の実を食べた後のような、黒いおりがにじみ出る。 |
実 |
桑の実 |
176 |
桑の実を食べた後のような、黒いおりがにじみ出る。 |
棍棒 |
下腹の棍棒 |
189 |
下腹の棍棒(こんぼう)をにぎりしめて、 |
櫛 |
櫛の目 |
193 |
きちんと櫛の目を入れ、 |
根 |
ひげ根 |
193 |
互いに神経の互いに神経のひげ根が枝をのばして、が枝をのばして、 |
枝 |
枝をのばして |
193 |
互いに神経のひげ根が枝をのばして、 |
花粉 |
風媒花の花粉 |
194 |
風媒花の花粉のようにまきちらし、 |
風媒花 |
風媒花の花粉 |
194 |
風媒花の花粉のようにまきちらし、 |
横板 |
横板 |
199 |
窓口の横板に肘をつき、 |
濡縁 |
濡れ縁に |
203 |
濡れ縁に掛けさせてもらった。 |
板塀 |
板塀 |
215 |
向かいの工事現場の板塀を映し、 |
枯葉 |
枯葉色 |
224 |
枯葉色の短いスカート |
枯葉 |
枯葉色 |
224 |
同じく枯葉色の靴の踵で、 |
柱 |
門の柱 |
231 |
白蟻に食い荒らされた門の柱を、荒縄で添え木にくくりつけてあるほどだ。 |
添木 |
添え木 |
231 |
白蟻に食い荒らされた門の柱を、荒縄で添え木にくくりつけてあるほどだ。 |
板の間 |
板の間 |
232 |
参列者用の板の間である。 |
一枚板 |
厚い一枚板 |
235 |
厚い一枚板の階段・・・・ |
白木 |
白木の焼香台 |
235 |
無愛想な白木の焼香台・・・ |
板の間 |
板の間 |
236 |
左の板の間の手摺りの下で、 |
木戸 |
木戸御免 |
251 |
ぼくは当然、木戸御免であるはずだ。 |
縁台 |
縁台 |
256 |
夏らしく、縁台を持ち出して来て、 |
植木 |
植木いじり |
256 |
植木いじりをしているところだ。 |
家具 |
使い込んだ白木の家具 |
266 |
使い込んだ白木の家具のような肌の色・・・ |
白木 |
使い込んだ白木の家具 |
266 |
使い込んだ白木の家具のような肌の色・・・ |
木の実 |
小さな木の実 |
268 |
どこか小さな木の実を想像させるものがある。 |
テーブル |
テーブル |
298 |
り木のあるスタンドに、テーブルが三つという、 |
フローリング |
フローリング |
298 |
フローリングのドイ・・・・派手にきしむ、蝶番・・・・ |
止り木 |
止り木 |
298 |
止り木のあるスタンドに、テーブルが三つという、 |
止り木 |
止り木 |
298 |
すわりの悪いスタンドの止り木に残して、 |
電柱 |
電柱 |
298 |
ほら、その電柱の先、ちょっと通りから引っ込んだ、 |
横板 |
スタンドの横板 |
302 |
スタンドの横板を音楽に合わせて蹴りつけながら、 |
止まり木 |
止まり木 |
302 |
止まり木を一つ、横に移っつて、 |
止まり木 |
止まり木 |
302 |
止まり木によじのぼり、 |
モモ |
桃の皮 |
308 |
熟れた桃の皮をむくように、 |
カバ |
樺色 |
322 |
ほら、樺色っていうのか、茶緑というのか、 |
チャ |
茶緑 |
322 |
ほら、樺色っていうのか、茶緑というのか、 |
レモン |
レモン色 |
326 |
自分の運命と、レモン色の窓とを、 |
板塀 |
板塀 |
327 |
あの工事場の板塀の前あたりでなければならない |
レモン |
レモン色 |
328 |
レモン色の窓があったはずの場所には、 |
レモン |
レモン色 |
328 |
レモン色の窓がないのだ!・・・・ |
レモン |
レモン |
329 |
レモンと縞馬ぐらいの違いいはあるはずだ・・・・ |
ビワ |
琵琶 |
334 |
そうだ、琵琶の実・・・・形が狂った、うらなりの琵琶・・・・ |
ビワ |
琵琶と洋梨の合の子 |
334 |
琵琶と洋梨の合の子・・・・色は、 |
ビワ |
琵琶の実 |
334 |
そうだ、琵琶の実・・・・形が狂った、うらなりの琵琶・・・・ |
ようなし |
琵琶と洋梨の合の子 |
334 |
琵琶と洋梨の合の子・・・・色は、 |
実 |
琵琶の実 |
334 |
そうだ、琵琶の実・・・・形が狂った、うらなりの琵琶・・・・ |
ビワ |
琵琶の実 |
336 |
ぼくはますます琵琶の実から目が離せない。 |
ビワ |
琵琶の割れ目 |
336 |
琵琶の割れ目が艶やかに、 |
実 |
琵琶の実 |
336 |
ぼくはますます琵琶の実から目が離せない。 |
スギ |
杉の柾目 |
337 |
杉の柾目をブリントした、ベニヤの天井に、またいつもの顔が現れる・・・・ |
ベニヤ |
ベニヤの天井 |
337 |
杉の柾目をブリントした、ベニヤの天井に、またいつもの顔が現れる・・・・ |
柾目 |
杉の柾目 |
337 |
杉の柾目をブリントした、ベニヤの天井に、またいつもの顔が現れる・・・・ |
レモン |
レモン色 |
338 |
レモン色に変えなければならないような、 |
棒 |
棒 |
349 |
あれは、腕ではなくて、棒だったかもしれない。 |
棒 |
ゴムの棒 |
349 |
ゴムの棒のようなもの。 |
チーク |
チーク材まがい |
358 |
表面はチーク材まがいの、茶褐色の木肌に、 |
木肌 |
茶褐色の木肌 |
358 |
表面はチーク材まがいの、茶褐色の木肌に、 |
木造 |
木造の小住宅 |
362 |
たしか木造の小住宅が三軒ばかりと、それに木立にかこまれた |
木立 |
木立にかこまれた |
362 |
たしか木造の小住宅が三軒ばかりと、それに木立にかこまれた |
林 |
触覚の林 |
363 |
電波をむさぼる触覚の林、 |
止り木 |
止り木 |
369 |
正面の止り木に、高く膝を組で掛けている。 |
止り木 |
止り木 |
370 |
止り木は、ドアのちかくにあって、 |
止り木 |
止り木 |
370 |
その止り木の女が一人いるだけである。 |
止り木 |
止り木 |
370 |
止り木の女の様子をうかがっている。 |
止り木 |
止り木 |
372 |
その止り木の上の演出が、どちらの手になるものであろうと、 |
止り木 |
止り木 |
372 |
スカートをおさえて、止り木を降りる。 |
街路樹 |
街路樹の枝 |
375 |
やせた街路樹の枝が、ほころびた網のように見えた。 |
枝 |
街路樹の枝 |
375 |
やせた街路樹の枝が、ほころびた網のように見えた。 |
街路樹 |
街路樹ごし |
376 |
街路樹ごしの街燈の一部が重なっているので、 |
止り木 |
止り木 |
378 |
女が止り木を降りたついでに、 |
止り木 |
止り木 |
382 |
女は再び止り木にもどって、膝を組む。 |
止り木 |
女の止り木 |
382 |
女の止り木の、すぐ後ろだ。 |
種 |
梅干しの種 |
384 |
赤いマニキュアを塗った爪が、梅干しの種のようだ。 |
梅干 |
梅干しの種 |
384 |
赤いマニキュアを塗った爪が、梅干しの種のようだ。 |
格子 |
光の格子 |
387 |
規則正しい光の格子をくりひろげている。 |
ブラタナス |
ブラタナスの街路樹 |
391 |
対称の位置に、ブラタナスの街路樹がある。 |
街路樹 |
ブラタナスの街路樹 |
391 |
対称の位置に、ブラタナスの街路樹がある。 |
止り木 |
止り木の上で |
391 |
止り木の上で膝を組んでいた、 |
樹齢 |
かなりの樹齢 |
391 |
ざらついた木肌は、かなりの樹齢を思わせるが、 |
木肌 |
ざらついた木肌 |
391 |
ざらついた木肌は、かなりの樹齢を思わせるが、 |