以下に面白い、素敵、綺麗な表現のあるものをピックアップします。
ザクロに関する情報と写真はコチラ
- 夏目漱石の「それから」
- 柘榴の花は、薔薇よりも派手にかつ重苦しく見えた。(132頁)
- 尾崎紅葉の「金色夜叉」
- ハンカチイフもて抑へければ、絹の白きに柘榴の花弁の如く附きたるに、貴婦人は懐鏡取出して、咬ことの過ぎし故ぞと知りぬ。(161頁)
- 島崎藤村の「夜明け前」
- 江戸の名ごりのような石榴口の残った湯屋はこの町からほど遠くないところにある。(143頁)
- 芥川竜之介の「或阿呆の一生」
- 彼は部屋の戸口に立ち、柘榴の花のさいた月明りの中に薄汚い支那人が何人か、麻雀戯マアチアンをしているのを眺めていた。(169頁)
- 井伏鱒二の「黒い雨」
- 子供としては柘榴に入れ智恵をつけたつもりだろう。(156頁)
- 林芙美子の「浮雲」
- 自分の嘘の塊が、ざくろの実のように、くわっと口を開いて自分を笑っている(128頁)
- 太宰治 の「美少女」
- かなり大きい柘榴の木が在り、かっと赤い花が、満開であった。(229頁)