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小説と木

樹種「クリ」の素敵な文章

クリというとイガのある実と食べる栗が一般的には知られています。木材としては最も屋外で腐りにくい木のひとつでヒノキなどよりも耐久性があります。ただ残念ながら、現在では用材として利用できる樹木がなくなり、あまり市場にでてきません。 クリの名前を小説に入れた作家は 30名います。また1つ以上クリの名前を使った小説としては 82タイトルありました。 すべての小説での出現回数は291箇所ありました。 クリが一番出現する小説は長塚節の「土」です。 最も出現回数の多い作家は宮沢賢治で122箇所、 次は長塚節で32箇所です。 以下、島崎藤村の12箇所、川端康成の11箇所、夏目漱石、水上勉、尾崎紅葉などのの9箇所、田山花袋の8箇所、でした。(以下省略) また小説別では、長塚節の「土」32箇所宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」19箇所宮沢賢治の「新編 風の又三郎」14箇所宮沢賢治の「若い木霊」9箇所尾崎紅葉の「金色夜叉」9箇所宮沢賢治の「二人の役人」8箇所田山花袋の「田舎教師」8箇所島崎藤村の「夜明け前」8箇所宮沢賢治の「さるのこしかけ」7箇所宮沢賢治の「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」7箇所川端康成の「山の音7箇所早川謙之輔の「木工のはなし」7箇所でした。(以下省略)

以下に面白い、素敵、綺麗な表現のあるものをピックアップします。クリに関する情報と写真はコチラ

国木田独歩の「武蔵野 」
多分が落ちたのであろう、武蔵野には栗樹もずいぶん多いから。(15頁)
長塚節の「土」
蒸氣が立ち騰(あが)らうといふ形に栗の花は一杯である(99頁)
鈴木三重吉の「桑の実」
後に立つてゐる栗の木の青葉の間には、甘い匂いのする栗の花がうす黄色に咲いている。(45頁)
宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」
栗の木が青じろいひものかたちの花を枝いちめんにつけるころになりますと、あの板からはいあがって行った虫も、ちょうど栗の花のような色とかたちになりました。(219頁)
栗の木が青じろいひものかたちの花を枝いちめんにつけるころになりますと、あの板からはいあがって行った虫も、ちょうど栗の花のような色とかたちになりました。(238頁)
宮沢賢治の「ポランの広場」
朝霧がそのときに ちゃうど消えかけて 一本の栗の木は後光を出してゐた、(402頁)
宮沢賢治の「朝日が青く」
はげしい栗の花のにほひ(470頁)
壺井栄の「二十四の瞳」
近年、村の柿の木も、クリの木も、うれるまで実がなっていたことがなかった。みんな待ちきれなかったのだ。(220頁)
林芙美子の「放浪記」
鳩も来ている。栗の花が激しく匂う。(372頁)
水上勉の「飢餓海峡(上)」
紅葉した山裾は橙色の栗の葉や、欅の葉で埋まっている。(145頁)
クリとその実 クリの花

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