ブナ科。
日本各地のブナ、ミズナラ、カエデ等と混じって山地に分布する。 木理は粗。比重は0.60。直径60cm。年輪がきわめて明瞭な環孔材。
まれに直径1.5mくらいに達するものものがあるが、大径木が少ないため
価値は高い。
弾力性に富み、狂いが少ない。加工しにくいが、割裂は容易。
乾燥は困難。耐朽・保存性はきわめて高く、水湿に耐える。まれにフェンス
の材料として使われる事もあり耐久性はかなり高い。
削って磨きを
かけるとミズナラのような雰囲気があるが、ミズナラより優しく素朴な感じがする。
量が少ないので一般的にはあまり使われていないが、日本独特の数寄屋の 世界ではとくに好まれる。上り框や床柱など装飾性のあるところに使われる。
またクリと言えば、誰もが知っている秋の木の実の代表選手。縄文時代の昔から、トチの実、クルミ等と共に大切な食糧である。
梅雨の頃(6~7月)、独特の甘い
香りを放ちながら花がさき、新しい枝に雄花と雌花が一緒につく。黄色味がかった白色の雄花は、軸にたくさんついて、10~15㎝くらいの長さの
モールのようなものがフサフサと上向きにつく。その軸の基部の方に小さな雌花
が2~3ヶつく。クリは、虫媒花で雄花から雌花へは虫等が媒体になる。
花が終る頃、雄花はバラバラと落ちてしまい、雌花は実を熟す準備に入る。
果実は、9~10月に成熟。ご存じの様に鋭い針で覆われたイガ(殻斗)の中に
1~3ヶのクリの実がある。始め緑色だったイガは徐々に茶色に変色し、熟すと
イガが割れてクリの実が出る。