ヒノキは木材関係の会社、特に住宅関連の会社に勤務している人であれば、日本ですぐれた木というと、真っ先にヒノキをあげるでしょう。ヒノキの神秘的で驚くべき性質に強度のことがあります。木を切ったときよりも、木材になってからは強度が上がり約200で一番強いものになります。そのご800年ほどたって、伐採時と同じ強度となります。
すべての小説での出現ランクは9番目ですが、作家の取り上げは14番目でした。
ヒノキの名前を小説に入れた作家は30名います。また1つ以上ヒノキの名前を使った小説としては58の小説でした。
すべての小説での出現回数は266箇所ありました。
ヒノキの最も出現回数の多い作家は幸田文で40箇所、 次は島崎藤村で36箇所です。
以下*沢賢治の32箇所、水上勉の28箇所、早川謙之輔の16箇所、高田宏の16箇所、夏目漱石の11箇所、芥川竜之介8箇所、泉鏡花の6箇所、志賀直哉の4箇所、山崎豊子の3箇所、川端康成の3箇所、田山花袋の3箇所、井伏鱒二の3箇所でした。(以下省略)
また小説別では、幸田文の「木」40箇所、島崎藤村の「夜明け前」34箇所、水上勉の「凩(こがらし)」25箇所、高田宏の「木に会う」16箇所、早川謙之輔の「木工のはなし」16箇所、宮沢賢治の「ひのきとひなげし」15箇所、夏目漱石の「吾輩は猫である」6箇所、泉鏡花の「高野聖」6箇所、井伏鱒二の「黒い雨」3箇所、芥川竜之介の「芋粥」3箇所、川端康成の「古都」3箇所、田山花袋の「田舎教師」3箇所でした。(以下省略)
以下に面白い、素敵、綺麗な表現のあるものをピックアップします。
ヒノキに関する情報と写真はコチラ
- 夏目漱石の「吾輩は猫である」
- 檜の枝は吹聴する如く密生しておらんので、(258頁)
- その尽くるところに檜が蓊然と五六本併ならんでいる。(258頁)
- 夏目漱石の「三四郎」
- 目に触れるたびに不愉快な檜に、青い光りがさして、黒い影の縁が少し煙って見える。檜に秋が来たのは珍しいと思いながら、雨戸をたてた。(78頁)
- 島崎藤村の「若菜集」
- 檜は荒し杉直し 五葉は黒し椎の木の 枝をまじゆる白樫や(201頁)
- 島崎藤村の「夜明け前」
- 杉と桧の枝葉を通して望まれる周囲の森と山の空気、岩づたいに落ちる細い清水の音なぞは、社殿の奥を物静かにする。(32頁)
- あの木曾の名所図絵にもある園原の里の「帚木」のように、(206頁)
- 志賀直哉の「焚火」
- 黒檜が大変低く見えるね(164頁)
- 宮沢賢治の「イギリス海岸」
- ひのきやいちゐがまっ黒にしげり(335頁)
- 宮沢賢治の「おきなぐさ」
- 黒いひのきの森の中の(18頁)
- 宮沢賢治の「ひのきとひなげし」
- 風が一そうはげしくなってひのきもまるで青黒馬のしっぽのよう、(75頁)
- 幸田文の「木」
- 秋の檜の尋常さは(36頁)
- 夏の檜は、とにかく静かになどしてはいない。音をたてて生きている、といった姿だ(36頁)
- 檜はかんな屑さえ39頁)
- 檜にさからってみたくなるのも(41頁)
- 檜にもピンもキリもあるんです(42頁)
- その檜は、生涯の傾斜を背負って(43頁)
- 円地文子の「女坂」
- 芳しい檜の匂いをふりまいて(42頁)
- 井上靖の「あすなろ物語」
- 明日は檜になろうと思っていて、ついに檜になり得ない翌檜の話をしてくれたことを思い出したからである(72頁)
- 水上勉の「凩(こがらし)」
- 五年毎に檜は皮をむかれるといったことばが、(291頁)
- 青木玉の「こぼれ種」
- 檜は小さい鱗上の葉が重なりあって平たく手を出している(185)