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小説と木

樹種「アンズ」の素敵な文章

中国原産の木で、そのため名前も唐桃(カラモモ)とも呼ばれます。果樹として栽培する落葉する小高木です。万葉集に加良毛毛(カラモモ)としての記述 があり、かなり古い時代に薬用樹として利用されていました。 鎌倉時代からは「杏」の字があて られ、アンズと呼ぶようになりました。

以下に面白い、素敵、綺麗な表現のあるものをピックアップします。アンズに関する情報と写真はコチラ

島崎藤村の「夜明け前」
貰い受けてきた杏の樹がその年も本家の庭に花をつけたが、あの樹はまだ和助の記憶にあるだろうかと書いた。(267頁)
芥川竜之介の「或阿呆の一生」
が、腐敗した杏の匂に近い死体の臭気は不快だった。(160頁)
芥川竜之介の「或阿呆の一生」
それはどこか熟し切つた杏の匂に近いものだった。(173頁)
壺井栄 の「二十四の瞳」
あき地にあるアンズの木は夏にむかって青々としげり、黒いかげを土手どての上におとしている。(134頁)
水上勉 の「飢餓海峡(上)」
鼻腔に通じるあたりにかすかなあんずの花の香りを嗅いだように思った。(506頁)
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