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木材と音、響きの研究

いくつかの材を組み合わせることで好結果が得られることも

 
集成材は様々な木目の混在と接着剤の影響で、素材の比重よりもより強度のある材の鳴り方をします。素材を幅方向に増して接着すれば、いくらでも幅広の板材が低価格でできるメリットがあります。木目の混在により、割れとか反りは回避できますが、木目の混在は伸縮の混存につながり、ほんのわずかではありますが表面に凹凸がでることもあります。加工の際、その点に留意され、内部側を平滑になさった上で組み上げる方が、接着面の仕上がりがよくなります。
MDFは中質繊維板の意です。木材片を蒸してほぐし出した繊維を、合成樹脂で固めたものです。針葉樹系と広葉樹系があります。比較したことはありませんが、音色のよさそうな針葉樹系を私はもっぱら使用しています。比重は0.35から0.8まで用途に応じて製造されています。流通が一般的で人手しやすい製品は、0.6から0.7程度です。音質は、比重が大きい割に低音域も豊かです。ダンボール箱を叩いた響きの延長線上の響きといえます。
スピーカーのコーン紙振動板の響きと同質ともいえる訳で、スピーカーボックスには向いている材といえます。
バーチクルボード (ホモゲン) は、木の細片を固めたもので、繊維を固めたMDFより素材の粒子は粗めですが、木の特質をより有しているともいえます。板の芯は製造時の圧力の加減で、表面部分に較べ、さらに粗い密度になっています。この構造が適度な内部損失となるのでしょう、音の面 からはMDFより勝っていると思います。 もっとも切断面の緻密癒さ、仕上げやすさ、化粧のしやすさでは圧倒的にMDFが勝り、現在の普及につながったのでしょう。切断面の処理さえうまくこなせば、音の面からパーチクルボードはスピーカーボックスにより向いている材料と思います。極言すれば、MDFは紙の響き、パーチクルは木の響きといえます。比重は0.4から0.9まであり、通常はMDFと同程度と考えてよいようです。
最近オーディオ製品の一部に使われることが多くなったコーリアンは、プラスティックらしからぬ木質系の響き方をします。当然やや無機的な面もありますので、木質と併用された方が、より心臓によい音になりましょう。 この 「心臓によい」 という表現は友人の医師の名言です。
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