此季如何成り行候事と一圓不相分薄氷
を踏心地いたし候乍併軽キ者先操いたし心配
仕候ても渡世も不相成先其日過とか申気
ニて日ヲ送リ申候併如此米價八百匁近い
たし候てハ所詮長久六ヶ敷不日困窮人計
リ相成候事と恐れ入候事ニ候 以上
四月九日若山岡崎屋治郎兵衛信略
当表別ニ相変リ候事無之候得共今日荒
立候町人町奉行所へ御呼出し左の通リ
被仰付候
御上様ニも長々大坂表ヘ御出張ニ付てハ
御物入多く且ハ当時の米高ニてハ小前向
末々難渋の者へ御救米出し
御上様より出し可申義ニ候得共長々御物入
の事故此度荒立候町人江夫々身分
相応ニ救米買入申付候間畏リ可差出候
との被仰聞
町人頭 上ハ百五十石 下ハ六十石