寅四月廿三日 浪花書信 樋口
米価古今未曾有の事左の通り
肥後米 百石ニ付 九百三十匁
同 黒 三斗三升入三俵 八百五十匁
油 壱斗 百九十匁
金 百六匁五分
如期高価ニ候得共当地嶋の内八幡宮へ
御千度申立諸方芸者舞子の者色さま?
の姿ニ出立踊リ大流行嶋ノ内辺賑々敷事ニ候
又長堀西土州屋舗内ノ一稲荷社
正遷宮ニて同様いろいろ趣向ニて屋台やら
のものいたしはやし立ほり江新町難波の
芸者共同断ニ出候申候土州屋敷近辺ニてハ
いか様成る致し候ても不苦由ニて土州藩中の
人々附添踊り申候眼前公方様御在城
中其上米高の折柄旁以実右等の事件
奉恐入候事ニ付小家の者ハ大ニ困窮の餘り非
人乞食いたしものも多分有之由市中大二不同
乍去近年商家諸職共格外ニ銭もうけ
ニ付米高の割ニは相響キ不申候右ニ付劇場