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世界の樹木

ユーカリ

解説

ユーカリ(Eucalyptus)は、主にオーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア地域に自生する常緑樹の総称です。コアラがこの葉だけを食べるために有名です。ユーカリには品種が約500種類もあり、変種を含めると1000種以上と言われています。樹木関連の書籍には、高さが100メートルを超えるものも記載されていますが、これは過去の測量が不確かだった時代の情報です。現在、確認されているものは100メートル未満です。樹木としては、植物園や巨木としては愛媛県今治市にある桜井小学校のユーカリが有名ですが、日本では台風による倒木が多い特徴があります。
ユーカリの成長は速いですが、日本のものは原産地のものほど大きくはなりません。これは土壌の違いに起因すると考えられます。たとえば、針葉樹などは米国やオーストラリアなどと比較して半分以下の高さです。
ユーカリの木々は特有の香りを持ち、その葉は特徴的な形状をしています。ユーカリの葉は一般的に狭い楕円形で、青緑色または灰色をしています。葉の表面はつや消しで、裏面は灰色から白色です。ユーカリは小さな花を咲かせ、花の色は白、クリーム、ピンク、赤などがあります。花はクラスターを形成し、木全体が花で覆われることもあります。ユーカリの木の皮は厚く、粗い質感を持ち、剥がれやすいことがあります。

ユーカリの葉からは精油が抽出され、風邪や咳の症状を緩和するために使われます。また、精油はアロマセラピーや薬用製品にも利用されます。ユーカリの葉は伝統的に薬用に使用され、抗菌作用や鎮咳作用があるとされています。
ユーカリは火災に強いため、オーストラリアの乾燥地域などで火災の後に新しい生態系を形成する重要な役割を果たしています。一部のユーカリ種は他の植物や野生生物に影響を与える外来種として問題視されています。ユーカリは世界中で植樹され、個々の種にはさまざまな特性があります。そのため、地域や種に応じてさまざまな用途に利用されています。
ユーカリの木材は耐久性が高く、建築材料や家具、床材などに広く利用されています。英国では早くからユーカリに着目し、ロンドン市内のボードウォークに利用していました。これは材質が硬く、シロアリや船虫に犯されにくいという性質からでした。辺材は灰白色、心材は紅白色心、辺材の境は不明確でやや黄味を帯びています。木理は交錯しており、肌目はやや粗く、材はやや重硬で狂いやすい性質があります。ユーカリの木材は土木用材、建築用材、船舶車軸用材、パルプ原料など幅広い分野で利用されています。



ユーカリには多くの種類があり、一般的にはもつと葉の細いものである。 この写真は日本万国博覧会記念協会にオーストラリア政府から寄贈されたものを撮った。万博記念公園内世界の森にて1998年7月
樹形

表皮
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