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| American(マホガニー・セントラル・アメリカン)
| | 〔学名〕Swietenia macrophylla King.、 Family Meliaceae.
| | 〔別名〕ホンジュラス・マホガニーおよび類似名が、原産国によって様
| | 々あり、Baywood、 Caoba(gen. Spain)、 Acajou(Fr.)、
| | Mahonie(Dutch)、 Aguano(Peru).
| | 〔性状〕原産地および生育地方では、この材の色と外観が勝ちを生
| | ずる。材色は淡赤味ないし帯黄褐色から濃暗赤色とさまざまあって、
| | キューバ・マホガニー(Swietenia
| | mahagoni)に似ているが、通常淡色である。両木口の生長輪は、鈍
| | 淡黄色の柔組織または柔軟細胞の線によって現われ、これがこの属
| | の典型的な特徴である。沢山の変化ある杢目は、バイオリンの裏板
| | 模様、玉杢、縮み杢、斑紋および縞杢が役立て得る。気乾材1立方
| | フートの重量は約34ポンド。
| | 木理通直または組合っているが、肌理均質で後者の場合は、材は
| | 非常に安定し、またほとんど材は狂わない。中部アメリカ・マホガニー
| | は、キューバの種類より一般に軽軟である。乾燥良好で、やりにくさ
| | は少しであるが、全くない。
| | この材の重量と強度は極めてよく、この理由によって、以前は航空
| | 機プロペラ製造に大量に使用されたものである。この材は、卓越させ
| | る木材の一つで、すべての型の工具で加工容易、釘打ちおよびね
| | じもみよく、膠着および着色ともに良好。利用されるすべての普通の
| | 方法で、仕上りは非常に良結果が得られる。
| | 〔用途〕すべての型の高級指物細工、家具などにすぐれている。ボー
| | トおよび造船、模型製作に使われている。杢目丸太は、ベニヤ製造
| | および羽目張りに用いられる。耐久力があるので、ヨットや小型ボー
| | トの板張りに適し、また競漕用艇の舟体および高速ボートにも使用さ
| | れる。
| | アメリカン・マホガニー Swietenia spp.
| | 樹木 アメリカン・マホガニーは、マホガニーの元祖である。キュー
| | バン(またはスパニッシュ)・マホガニーは、16世紀末に西インド諸島
| | の植民地からスペイン人によりもたらされたが、18世紀にチペンデー
| | ル、へプルホワイト、シェラトンらがデザインした家具に用いられて有
| | 名になった。それ以来、さまざまなスタイルの美しいキャビネット用材
| | として絶えることなく用いられている。今ではキューバン・マホガニー
| | Swietenia
| | mahoganiはめったになく、アメリカン・マホガニーの大部分が大陸から
| | 輸出されるS.macrophyllaで、それぞれ産地の名を冠し、ホンジュラス
| | 、ブラジリアン、ペルビアン・マホガニーと呼ばれて取引される。
| | 木材 色調はさまざまで、赤褐色ないし濃赤褐色を示すが、キュー
| | バン・マホガニーは濃色で、重く、大陸産は概してこれより淡く、軽い
| | 。肌目は中庸で、材面にもくが見られるのは少ないが、不規則な木
| | 理をもつ丸太からはもくの美しい木材がとれる。
| | 加工性 乾燥は容易で、利用の際も安定している。加工しやすく、
| | 機械加工の仕上がりは優れている。
| | 用途 今日用いられているものは、かつて家具に使われていたもの
| | より軽軟だが、いわゆるマホガニーと呼ばれている市場材のなかで
| | は、まだ最高のものと考えてよい。とくに高級な複製家具、指物、パ
| | ネルに使われる。軽いうえに寸度が安定し耐久性に富むので、船や
| | ボートの厚板や造作、細部まで彫刻可能なので、版画のブロック、木
| | 型にも用いられる。
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| | 中川つむぎ
| | tsumugi@wood.co.jp
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