看板には
センダン科の落葉喬木。アジア各地の暖地に自生し、観賞用としても家屋の
庭によく植えられる。春~6月ごろ、淡い紫色の五弁の花をつけ楕円の実を結ぶ。生薬のひび薬・苦練子(くれんし)はその実のこと。樹皮は駆虫剤、材は建築・器具用材、当地周辺では牛の鼻木として用いられていた。
南紀田辺の世界的生物学者南方熊楠(みなかたくまぐす)が生涯かけて愛した花としても有名。昭和4年6月1日、御召艦・戦艦長門での和歌山行幸の天皇に、艦上で奉った御進講に際し、自宅の庭に芳香を放ち、うす紫のかすみの如くに咲き誇る樗(おうち)の花を前に、「有り難き御代に樗の花盛り」とその晴れがましい心境を詠んだ。
「天井に紫の花が咲いている」。臨終に、幽明の境をさまよう熊楠は、御進講のあの日の感激思い出したが、この言葉を残し逝った。このせんだんは樹齢約130年、直径一間(1.8m)になんなんとする
とあります。
熊楠さんは私の祖母(旧姓 羽山季)と大変親しく、先の御進講の時に、祖母に自分がうまくゆくように祈ってくれと言われ、姉と共に御坊の浜辺で祈ったとのこと。
2020年11月22日 中川勝弘撮影
車を止める場所はあります。