「国の始まり大和の国 郡の始まり宇陀郡 宇陀の始まり菟田野(うたの)から」と古謡(こよう)にも歌われる記紀・万葉の故地、菟田野です。この歴史あふれるロマンの地をたずねました。
国の天然記念物の杉の巨樹です。桜実(さくらみ)神社本殿の横に堂々たる姿を見せています。
ひとつの株から伸びた8本の幹が上下にくねりながら複雑にからみ合い、ある幹は途中で一本になり再び分かれて二本になったのもあります。ただ特殊な樹形と老木のために金属支柱で支えられている幹もあります。訪問時は金属製の手すりが基礎から倒れていました、これは根の生長で地中からの圧力があったのだと思いますが、そうとすればまだまだ成長力はあるのだと思います。
ここから500メートルほどの小高い山頂に「菟田(宇陀)の高城跡」があります。古事記・日本書紀にある日本最初の城と言われているものです。ここに陣を構えたとき、この杉を植えたとする伝承もあります。
ちなみに2006年1月、宇陀郡内4町村が合併して宇陀市になりました。