果号寺のシブナシガヤ
かごうじのジブナシガヤ
この日は三重愛知2泊巨樹旅行の最終日で三重から大阪に帰る途中で最終の目的地であった。
付近は掲載の写真のような山と田園地帯がつづくなか、少し山手にあがったところにこの寺がある。
お寺は掃除がゆきとどいており、清潔で華麗だ。神社のような鎮守の森という感じではなく
日当たりがよく、カラッとした空気である。目的のシブナシガヤがどこにあるのかと寺の人に聞くと
「ちょうど今ごろ、実がいっぱい落ちているんです。どうぞたくさん持ち帰ってください」
と寺の人が言って親切に案内してくれた。住居の裏にあり、案内なしでは見つけることは難しい。
ちょうど高台の原っぱの崖のところにあり、よく倒れずに、また樹木が傾かずに自立しているもの
だと感心した。シブナシガヤの下には実がいつぱい落ちており、いくつかの実をポケットに入れた。
シブナシカヤは、普通のカヤと同種類の針葉樹だが、種子の胚乳についているシブ皮が全く無いか、
あっても簡単に取れやすい特徴を持つ稀少な植物で、種子の殻を割ると中に白い胚乳が見られる。
一般にカヤの胚乳には油脂が多く含まれこれを絞った油は、食用として最上さされたため昔から多
く植えられてきた。
嘉永2年に刊行された当時の代表的な博物学書だある小野蘭山の『本草綱目啓蒙』にも記載されて
おり、伊賀地方にこの珍しい特徴を持ったカヤがあることは、江戸時代にはすでに知られていたよ
うである。
このシブナシカヤは地上90センチのところで、3本に株立ちしている。樹勢は今も衰えず、毎年
夏休みが終わるころたくさんの実を落とす。
掲載書籍
記念物指定
昭和7年国指定 天然記念物
データー
樹種 幹周 334cm 樹高 13 m
住所
三重県上野市大字西山 果号寺 緯度 北緯 34.47.16 経度 東経 136.05.00
実
境内、場内の景色
付近の景色
撮影日、撮影者
99年 9月5日 中川勝弘撮影
撮影機材
Nokon COOLPIX 950
駐車場
駐車場あり
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