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巨樹名木探訪

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生木の地蔵楠 

いききじぞう

記念物指定

観音寺市指定天然記念物 昭和51年6月10日指定

住所
香川県観音寺市大野原町大野原1208
解説

この大楠は、樹約1200 年と推定され胸高周囲10メー トル、樹高30メートルありますが、樹体内に身長150cmの地蔵尊があります。 外から見ていてもわからないのですが、建物内に入ると、その構造がよくわかります。生木地蔵尊と言い、近隣の人々から”生木(いきさ) の地蔵 さんと呼ばれ崇拝されています。 この生木地蔵尊は、当地の住人森安利左衛門豊秀が、天保七年に一人娘の病弱を案じ彫りあげたもので、生木の地蔵さんに願い事をすれば願い事がかなうと言われています。全国でも珍らしい生木地蔵尊に最近では県外からも数多く 参拝者が訪れているとようです。クスの周辺も建物の中も綺麗にされていて、生木の地蔵尊墓地保存会の方々のお世話のおかげと思います。

生木の地蔵さん 縁起の資料がありましたので、そのまま掲載します。

生木の地蔵さん 縁起

香川県大野原町大野原辻東  生木地蔵尊
 天保七年(一八三七年)の秋もようや く深まろうとするころ、豊田郡大野原村 と中姫村の村境にある棒の大木に向かっ て、一心にノミを振るう一人の老人の姿 がありました。
 斎戒沐浴して身も心も漬め、手もとを照らすローソクの灯りをたよりに、一刀三拝、 幹の奥ふかく刻まれてゆくのは、身の丈五尺ほどの地蔵菩薩のお姿でした。
 木屑からただよう樟木の香りのなかで、 老人の 唱える般若心経が、朝早くから夜更けるまで 彫られた空洞の中に響いていました。 この人は中姫村に住む森安利左衛門と云い、この年 病弱であった一人娘ナヲさんの病気平癒を祈願し四国 霊場八十八カ所を巡拝して帰ってきたばかりでした。 利左衛門さんは四国遍路の途中、伊予の丹原で大木に彫られた仏像に心をうたれて、自分もこの木に地 蔵菩薩を刻もうと発心したのだと云われています。
 伊予の仏像とは、番外別格霊場十一番正善寺の生地蔵のことでしょう。 利左衛門さんの精進は続きました。やがてこの年も 暮れ、翌天保八年の正月も過ぎた頃、彫り始めてから 三カ月余りでこの木の幹の中に端正な地蔵菩薩の立 像が完成しました。耳の大きい、目許の涼しい美男におわすお地蔵さんでした。
 二月の吉日を選んで、開眼供養が行われました。喜 んだ里人も多数参列し、白衣観音経二千巻、光明真言 三十一万遍が読経されたと伝えられています。
 このとき、どこからともなくみすぼらしい一人の旅の坊さんが現われ、供養の様子をじっと眺めていましたが、「そんなことでは魂は入らない。 私がお性根を 入れてあげよう」と言うや否や、人々が驚くのもかま わず大音声で経文を唱え錫杖を力一杯振り鳴らしました。すると不思麟や、お地蔵さんが大きく目を見開 いて、パチパチとまたたき(まばたき)をしたと云わ れています。「ありがたいことじゃ」と人々が手を合 わせ深く頭を下げたあと、ふと気がつくと、さきほど の坊さんはかき消したようにその姿はどこにも見当た りませんでした。  それ以後、誰云うとなくこのお地蔵さんのことを 「またたき地蔵」と呼ぶようになったのだと云う話がのこされています。
 のちに、お地蔵さんを包みこむように樟の木にくっ つけてお堂が建てられました。お堂の中で見ると、ち ょうど、仏壇の奥の仏様と同じように、お堂の奥にお 地蔵さんが拝めるようになっています。
 お地蔵さんの霊験はあらたかでした。利左衛門さん は慶応二年、八十六才で、病弱だったナヲさんは大正 八年十一月、なんと百才までの長寿をまっとうしまし た。二人のお墓は地蔵堂横の基地にあります。
 生きた木に彫った地蔵さん!「生き木の地蔵さん」 として近隣の人々に親しまれ、県内はもとより県外 らの参拝も多く、霊験話は枚挙にいとまがありません。
「御丈五尺にキンランの法」といわれるお地蔵さ んは、生木であるために少しずつ身長が伸びており、 現在までに十センチほども御丈が高くなっております。 この樽の木は、弘法大師のお手穂えという説もあり 付近は古くからの墓地なので、「地中から霊魂を吸っ ており、切れば血の出る木」としてあがめられてお ります。
 樹齢千二百年、木の高さ30メートル、幹周り10メ ートル、四方に伸びた枝におおわれた広さが五アール といわれています。県の保存木、「ふるさとの名木」 に指定され、「生木の地蔵」と大樹町の天然記念物 となっております。 「生木の地蔵」は観音寺市から曼陀峠を経 阿波池田に抜ける県道と、豊町から琴平に向かう国 道三七七号線との交差点・ 大野原町辻東にあります。
 どこからでも目につく大 梅のもとには、信者の寄進 による「生木地蔵菩薩」の 赤いノボリ数十本が、樟の 緑に映えて、はためいてい ます。香煙の絶えることが ありません。

掲載書籍
撮影者
2023年10月28日 中川勝弘撮影
撮影機材
LUMIX G8 、Feiyu Gmax6、DJI Pocket、 LUMIX 7-14mm F4.0、M.ZUIKO 75-300mm F4.8-6.7、 LUMIX 12-35mm F2.8 、LUMIX G8mm F3.5、LUMIX 20mm F1.7 、PROMINAR 8.5mm F2.8、 NOKTON 42.5mm F0.95、 Reflex 30
動画
交通
駐車可能 観音寺市役所から車で13分、6km 

グーグルマップ利用について 「+ボタン」で拡大し赤の目的地に移動すればユーカリの植えられている場所までわかります

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