海清寺の大クス
記念物指定
昭和41年に県指定天然記念物
住所
兵庫県西宮市六湛寺町
解説
私の通っていた大学が神戸の東灘区にあったため、豊中の自宅から車で通う場合、ここをよく通った。
しかし残念ながら当時はこの巨樹はクスであることも、巨樹巨木というものに興味もなく、他の樹木
からくらべ大きいという概念もなかった。
日航機事故で亡くなった友人のお葬式が当寺であり、その時に始めて意識した。その友人は背の低い
私からすると大きく、参列でそばを通った時に、彼と私が並んでいる姿とこの巨樹と私が並んだ姿が
絵的に一致し、その時以来鮮明に記憶に残っている。きっと彼は現世最後の場であるここから、
次元の違う世界に旅立つわけだが、きっとこの巨樹を目印にして行きつ、戻りつするのだろう。
すると彼と私の次元は異なっても、この巨樹が二人の共通の目印になると思った。
彼とはある約束をしており、それを果たしてもらえないまま、私の前から消えてしまった。
ここを通るたびに「いつ約束を果たしてくれるのか」と語りかけている。
この地は古くから境内地であったため、巨木が多く、この大クスは海清寺開創の応永元年(1394)
に植えられたと伝えられている。樹齢600年(推定)、周囲5.8メートル、樹高35メートル、
この姿は「私は寺の主だ」とでも言っているように堂々としている。
この境内および周辺には西宮市指定の保護樹木が何本がある。クスノキ、エノキ
ムクノキ、クロガネモチなどがある。周辺は国道2号線や湾岸道路などへの途中路として交通量が多く
よくこの環境で耐えているものだと思う。
付近は高層のマンションや事務所があり、この巨樹も上から見ることが出来る。
掲載書籍
交通
JR西宮駅から直線距離で0.8キロ 阪神西宮駅から東へ駅から徒歩15分、自動車10分、距離1.5キロ
駐車場
あり、国道2号線から一筋南へいったところ、西宮市役所のほぼ隣
撮影日、撮影者
1998年 5月19日 中川勝弘撮影
撮影機材
エプソン EP-100、日立 MP-EG、
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