まんしょうじ
歴史春秋社の「ふくしまの巨木(植田龍)」、
河北新報出版センターの「とうほく巨樹紀行(植田辰年)」
などに掲載されていました。ふくしまの名木には日本一の大カヤ( 平成元年に環境省から)と記載されていましたので、期待して訪ねました。場所は伊達氏居城、桑折西山城跡の南麓の観音寺東方に位置します。まさしくすばらしいカヤの木です。高さ15m、幹まわり8m、樹齢は800年で、一部支えもありますが、樹形の凄さに圧倒されます。
明治時代の道路工事の時に、このカヤの根元からは県指定を受けている13世紀の灰釉瓶子や14世紀の灰釉梅花唐草文瓶子(はいゆうばいかからくさもんへいし)など、埋葬器として使用された中世の陶器が出土しています。
愛知県瀬戸産とみられる瓶子は、東海地方との交易を行うことができた伊達氏の大きな影響力が感じられ、甕と鉢は伊達氏が生産に関係したとみられている八郎窯跡(伊達市梁川町)産と推定されるもので、伊達氏とこのカヤの深いつながりを想像することが出来ます。
このカヤは伊達氏と関係の深い人物の墓標として植えられたとの説もあります。(桑折町歴史的風致維持向上計画、ふくしまの巨木より引用)