いっく
一宮神社にはクスノキが90本もあるようです。
神社の参道、社殿の周囲に佇んでいます。
そのうち目通り9.40メートルのもの一本、7メートル以上のもの2本、6メートル以上のもの4本あり、目通り1メートル以上のものは前記のものを合わせて53本に達します。このクス群は自生ではないがですが、植えた年代が古いものとして価値があると判断され、国の史跡名勝天然記念物に指定されています。写真はそのようなクスたちから代表として一番クスを撮りました。
一番クスの前には朱色の祠があり、そこに棲み付いていた「小女郎狸」を祀っています。その説明板をそのまま掲載します。
『伝説 小女郎狸
「小女郎大明神」として楠木神社にまつられている小女郎狸 は、壬生川の喜左衛門狸、屋島の禿狸と共に、三兄妹として、伊 予狸族の名門で、昔から一番楠に棲んでいた眷族(親族)とい われている。代々一宮神社の宮司につかえて、可愛がられて いた利口な狸であったが、或る日、つい出来心から、初穂(お供え もの)の鯛を一匹失敬したことがばれて宮司に叱られ、とうと う古巣の大楠から追放されることになった。それから間もな く、長い間棲みなれた一宮の森を去って、当てもなくさ迷い歩 くうちに、浜辺へ出た。そして、今漕ぎ出そうとする漁船を見 つけたので、慈眼寺の和尚に化けてのりこんだ。その日は、大 変鯛がよく釣れるので、鯛にはコリゴリの小女郎狸は、じっと 目をつむって、「南無鯛散菩薩」と祈っていたが、足許でピチ ピチ躍る瀬戸鯛を見ては、空腹の煩悩払うべくもなく、一匹く らいは仏果を得よと、そっと法衣にかくれて盗み食いしてい るところを、漁師に見つけられ「この生臭坊主め」とばかり、 櫂をもって一撃をうけた途端に、化けの皮が剥がれ、尻尾を出 して、せまい船の中をウロウロして、あわや、水葬礼になると ころを、やっとのことで命が助かり、その時、小女郎は、前非を 悔いて、「このご恩は必ず報います。大阪へ着いたら、金の茶 釜に化けますから、それを売って鯛の身のしろ金にして下さ い」と約束をして、漁師にご恩返しをした、正直な狸である。 こうして、茶釜の約束を果たした小女郎は、美しい娘に化けて、 道頓堀や、千日前を見物して暮らしていたが、その後、一宮の 森に帰り余生を過ごした。現在は、「諸願成就」の守り神とし て、信仰を集めている。』
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