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ID:
41450
年:
2018
月日:
0508
見出し:
【シゴトを知ろう】ろくろ職人 ~番外編~
新聞名:
ニコニコニュース
元UR(アドレス):
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3493059
写真:
-
記事
木を回転させてカンナで削り、お椀やお皿を作っているろくろ職人の仕事。
さまざまな木の味わいを生かした、手作りの風合いが魅力です。
今回は長野県にある「カネキン小椋製盆所」の小椋浩喜さんに、人気の木材やこだわりの商品製作の裏側について伺いました 今は洋風の部屋や食事に合う白い木が人気 ――使う木材の種類によって、出来上がる商品の質感が変わると聞きました。
主に使う木材の種類や、それぞれに合った製品について教えてください 私が主に使う木材は、ケヤキ、トチ、セン、モミです。
それぞれの特徴は下記のとおりです ケヤキ…昔から家の大黒柱や太鼓に使います。
漆を塗ると木目がきれいに出るので、スピーカーやお椀にも使います トチ…柔らかく白い木なので、漆を塗らずに白い色味を生かして洋食器として使うことが増えています。
最近はデザイナーズマンションのような、白い器の似合う場所で使われます セン…匂いやアクが無いので、食べ物を直接乗せるような、ちらし寿司の器などに使います モミ…針葉樹ですが、漆を塗ると絵に描いたような木目が現れ、きれいな器になります 木材によって選定時のポイントも変わりますが、基本的には在庫が足りていないものや売れ行きの良いものを補充するような形で仕入れています。
今は洋風の白っぽい内装の部屋が増えているので、少し高いですがトチのような白い木がよく売れます。
昔は和室に合う、ケヤキに漆を塗った器がよく出ていまし た。
食生活も洋風に変わったことで、椀物よりもプレートなど洋食器の需要が高まっています ――この仕事ならではの「あるある」話や、プライベートでもついやってしまう癖があれば教えてください 原木を乗せたトラックに出くわすとついて行きたくなります。
普段市場に出ている木材は4mくらいに切ってあるので、1本の大木を見るのはとても珍しいのです。
そのため、トラックに10mくらいの木材が乗っていると、「どこへ行くのか」「誰が使うのか」「何に加工されるのか」ということがつい気になってしまいます 実は、実際に追いかけてついて行ったこともあります(笑)。
その時はトラックのドライバーさんに話しかけて、どこの産地に行くか聞きました。
確か高山に行くと言っていましたね。
恐らく家具に使われるだろうということでした。 変わったものとしては、木製のスピーカー「音蔵」シリーズを作っています。
木で作ったスピーカーは、お客様から優しい音と評判です。
「自分が欲しい」という動機で作り始めたこともあり、最初は男性が買っていくことを想定していましたが、意外に女性が気に入って買っていかれますね。
奥さんが試聴して「いいな」 と思い、旦那さんを連れて買いに来てくれたりして、夫婦で楽しんでいる人も多いです 四角いスピーカーというのは世の中にたくさんありますが、ろくろで作る関係で円筒形のスピーカーにする必要がありました。
もちろん構造の雛形もないので、自分の耳で音の鳴り方、響き方を確認しながら微調整し、製作していきました。
それこそ、スピーカーは20個、30個くらい試作品があります。
今でもところ どころ改良して進化しています 夜中に「このパーツを作ろう」と思いついて、次の日の朝さっそく試してみたりします。
こうして思いついたらすぐに変えられるのが、手作りの良さだと思います。
客観的に聞いて良い音かどうかではなく、「これが自分の好きな音」というのを追求し、提案していく。
そして展示会や店頭で実際にお客様に聞いてもらい、良 いと思った人に買ってもらう。
器もそうですが、結局は自分の好みのものを作っているんです。
それに感動したお客様が商品を買ってくれることに喜びを感じます。
手作りの伝統工芸は、ある意味自己表現でもあるといえるかもしれません fff:
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