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- ID:
- 38953
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0705
- 見出し:
- 元すし職人、震災で渡米のはずが家具職人に 石巻工房
- 新聞名:
- 日本経済新聞
- 元UR(アドレス):
- https://style.nikkei.com/article/DGXMZO18383480S7A700C1000000?channel=DF180320167075
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- 【写真】
- 記事
-
宮城県石巻市の家具メーカー「石巻工房」は、2011年の東日本大震災をきっかけに誕生した。
「 DIY ( Do it
Yourself=必要なものは自分たちで作ろう)」をコンセプトに、特殊な材料や工具を一切使用せず作られた家具は、シンプルかつ機能的。
ヤフーのオフィスやブルーボトルコーヒーの店舗などにも採用されている。
工房の立ち上げ時から家具作りに関わり、現在は代表取締役も務める千葉隆博氏は地元の元す
し職人。
そんな彼がつくる家具がなぜ今、国内外で人気を呼んでいるのだろうか
◇ ◇ ◇
子どもの頃、実家がすし屋を営んでいたもので夜間、両親は店に出ていてほとんど家にいなかったんです。
きょうだいもおりませんでしたから、空想にふけったり、おもちゃをいじったりして、ひとり遊びをして過ごすのが得意でした。
それと小学生の頃はよく、家にある洗濯機やラジカセをドライバーで分解していましたね。
店で使うおしぼりを、毎日、家の洗濯機で洗うのですが、糸くずが詰まって動かなくなることがあったんです。
そんな時はよくバラして直していました。
「あれっ、ネジが2本余っちゃった」なんてことも、ありましたけれど
■アウトドアの雑誌を読み、ログビルダーに憧れる。
もともと手先は器用な方だったと思います。
うちの親父も器用。
小さな店でしたけれど、隙間をうまく活用して棚を作ったりしていました。
中学生になると、アウトドア系の雑誌を読みふけっていた。
その頃はよく自転車で旅をする話が載っていた。
ちょうど自転車に乗り始めた頃でしたから、「どこか遠くへ行きてえな」と夢見たり、キャンプに憧れたり。
ただし実際には行かなかったんですよ、これが
アウトドア用のナイフとか寝袋、コッヘルセット、ってつまりあの、キャンプで使う調理器具ですが、そういうアイテムを集めて行った気分になり、いろいろと想像しながらほくそ笑む。
そんな子でした。
ログハウスに憧れたのも、その延長線上です。
雑誌をめくっていると、ログハウスの前でみんなで楽しそうにバーベキューをしているような写真が出てくるわけです。
いいなあ、こんな家を造りたいなと思って調べたら、「ログビルダー」という職業があることがわかった。
短絡的に「ログハウスといえば北海道だろう」と
思い浮かび、地元の高校を卒業すると、北海道にある建築系の専門学校へ進学しました。
■初日、「ログハウスなら信州じゃない?」と言われる。
設計に関する基礎的なことは一応、その専門学校で習ったのですが、じつは初日から担任の先生に「ログハウスって、北海道はあまり盛んじゃないんだよね」と言われまして。
「盛んなのは信州とか、飛騨高山とか、あの辺じゃないかな」と
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