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- ID:
- 38871
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0627
- 見出し:
- センダン 家具材に芳し
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/news/20170627-OYTNT50302.html
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-
◇早い成長 美しい木目
◇府立大など依頼 中学で植樹
成長が早い在来種のセンダンが、木目の美しい新たな家具材として注目を集めている。
伐採までに必要な期間はスギやヒノキの50~60年に比べ、15~20年と約3分の1の早さだ。
全国で試験植樹が進むなか、府立大(左京区)などが京都市立蜂ヶ岡中(右京区)に協力を依頼し、環境教育の一環とし
て植樹。
国産材需要の高まりを追い風に、関係者は期待を込めて成長を見守る。
(林華代)
センダン科の落葉広葉樹で、伊豆半島以西の国内各地に分布。
約70センチの苗木が2年半で約7メートルに成長し、大きいものでは高さ30メートル、直径1メートルになる。
同大学は近畿中国森林管理局(大阪市)と2013年に包括協定を結び、試験植樹を15年から始め、気温や肥料などの条件が成
長に与える影響などを調査してきた。
環境教育に力を入れる同中では4月末、科学部の部員が校内に6本を植樹。
今後、府立大の糟谷信彦助教や同局職員が、真っすぐ生育するように新芽を剪定せんていする「芽かき」の技術を指導し、部員が観察記録を付けながら見守る。
市内の他の中学校にも同様の取り組みを広げる予定という。
府立大の田中和博副学長は「成長が早いセンダンの記録を取ることで、子どもたちに森林に興味を持ってもらえれば」。
科学部長の3年前田航作君(14)は「様々な手入れが必要なので、中学校全体で見守りたい」と話した。
国産材の需要は近年、回復傾向にある。
ロシアからの輸入量が減少する一方、中国への輸出増やバイオマス発電用の需要拡大などが背景にある。
センダンにいち早く着目したのが、熊本県の林業研究指導所(熊本市)。
成長が早く短期間で収入が得られる早生樹種を開発しようと、1996年頃に植栽を始めた。
「芽かき」の技術を考案し、林業関係者の協力で県内にこれまで約7000本を植樹。
家具の生産地として知られる福岡県大川市のメーカー
なども注目し、自生したセンダンで家具を製造している。
今後は植樹された木材を使った家具作りを目指すという。
2017年06月28日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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