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- ID:
- 38401
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0508
- 見出し:
- 五重塔の焼損木材再利用 東寺・戦国期
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/news/20170508-OYTNT50297.html
- 写真:
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- 記事
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◇須弥壇底にこげ跡
弘法大師空海が根本道場とした世界遺産・東寺(教王護国寺、南区)で、戦国時代に焼失した3代目・五重塔の木材が、寺宝を収める須弥壇しゅみだんの部材として使われていたことが東寺の調査で判明した。
東寺は「失われた五重塔の建材が再利用された事例は聞いたことがない」としている。
東寺の五重塔は883年に初代が建てられたが、1055年に焼失。
以降、落雷などで焼失と再建をくり返し、現存する五重塔(国宝、高さ55メートル)は1644年に築かれた5代目となる。
空海は唐から重要儀式で用いる法具を持ち帰り、境内東側の宝蔵に収めたが、平安~戦国時代に5度の盗難に遭った。
こうした被害を防ぐため、1330年に頑丈な厨子ずしが作られ、1565年には厨子の下の須弥壇を箱状に改造。
内部に法具を隠せるようにした。
昨年5月、この須弥壇を同寺職員が調査のために裏返すと、表面が焼けこげ、引き抜いたくぎの跡が多数残るヒノキで組まれていることが判明。
壇側面のふたの裏には「永禄八年(1565年)正月、檀だん并ならびに杉櫃ひつ新調」などと墨書があった。
同寺は、この約2年前の1563年に落雷で焼失した3
代目・五重塔の建材を使って制作したと判断した。
東寺の新見康子文化財保護課長は「焼け残った木材を極力、再利用しようという大工の心配りがわかる。
古い五重塔の建材が現存することがはっきり確認された例はなく、貴重な発見」と話した。
須弥壇は25日まで同寺宝物館で開催中の企画展「東寺と後七日御修法ごしちにちのみしほ」で展示されてい
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