お墓も樹木に囲まれている場所が多いのは、人も土や樹木と共にあり最後は帰っていく場所だからだと思っている。
うちに限らず、都心などの街を見ていると、人の都合で勝手に切断されている樹木のなんと多い事だろう…
人よりはるかに長い時間を生きている樹木は大切に扱われるべきで、くだらない理由で切ってはならないと思う。
本来は人の方が樹木に合わせて謙虚にすべきで、自然現象の方がちょっと威張ってるぐらいがちょうどいいのだ
そして、うちのマンションの木を切断した直後、作業を担当した職人が目の病気にかかった…。
職人さん自体は何も悪くはないが、僕には罰が当たったように思えた。
この話を聞いて、ある事を思い出した。
■泣く木
以前、北海道を自転車旅行中、占冠村のトマムという場所に「泣く木」があるというので見に行った事がある。
何やら道路の拡張工事のため、そのニレの木を切断しようとすると「泣く」というのだ。
結局、泣くので現場の人が切断する事ができず、そのままになったという。
北海道にはもうひとつ、同じく「泣く木」があったようで、そちらのエピソードは切断に関わる人間に死者が続出したりと穏やかではない。
詳しい事は避けるが、こういう不思議な現象は僕的には密かに大歓迎だ
「泣く木」はほとんど誰も通らないような道にひっそりと佇んでいた。
僕はしばらくその木の下に自転車を置き休憩した。
よく見るとのこぎりを当てた跡がある。
「よかったね」と声をかけてあげた。
自分の部屋で花瓶に挿した花を見ていると、こんな事を思い出してしまう。
うちの切られた木も脇から葉っぱを出して再生しようとしている。
切られそうになったら、世界中の木は泣けばいいのに、と、思った
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