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- ID:
- 35905
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0714
- 見出し:
- 当別の家具職人・須田さん製作 木の車いすかっこよく 来年公開の映画に登場 社会参加願い改良続く
- 新聞名:
- 北海道新聞
- 元UR(アドレス):
- http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0293109.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
町内東裏の旧東裏小で「家具工房旅する木」を経営する須田修司さん(46)が、「木の車いす」の製作に取り組んでいる。
強度や機能性を改良し、これまでに3台を作った。
「障害のある人が、人に見せたくなるようなかっこいい車いすに乗り、積極的に社会参加してほしい」。
そんな願いを込め、さらなる進化を
目指して試行錯誤を重ねている。
「障害者やお年寄りにとって、車いすは体の一部。
それなのに、街で見かけるのは金属製の味気ないデザインしかない。
自分が乗ってみたい車いすを作ろう」
家具職人として独立した10年前、目標のひとつに掲げた。
経営が軌道に乗り始めた2009年から、知人の介護福祉士の協力を得ながら設計を始めた。
金具とタイヤ、座面以外はすべてウォールナットを使った木製。
後輪のホイールや前輪キャスターなど丸みを帯びた部位が多かったが、「木工技術者としてレベルを上げるには最適な材料」(須田さん)。
木をなめらかに曲げる「曲げ木」の技術を駆使し、何度も失敗を重ねながら14年に1号機が完成した。
足置きを左右に開閉できるようにしたり、ブレーキをつけたりして改良を重ね、昨年6月までに3号機まで作った。
今年2月には、岩見沢の障害者施設で3人に試乗してもらった。
「座面が高く、乗り降りが不安」などの声を参考に、6月から4号機の製作に取りかかっている。
デザイン性も高く、映画関係者が注目した。
来年公開の降旗康男監督、岡田准一さん主演の映画「追憶」(東宝)で小道具としても使われることになった。
助監督の加藤卓哉さん(37)=東京=が、須田さんの家具を愛用していることから実現した。
安藤サクラさん演じる「涼子」が乗り、重要なシーンで何度も
登場するという。
加藤さんは「障害のある人がそれをマイナスと捉えず、胸を張って乗れるような車いすを作りたいというコンセプトに共感した。
木製の車いすを使えば、何か特別な感情を表現できる気がした」と語る。
須田さんは「映画の公開に合わせて、販売できるように精度を高めたい。
使う人も周りも、生き生きとした表情になる車いすを作りたい」と話す
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