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- ID:
- 35142
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0320
- 見出し:
- 凍結木材、効率よく 留辺蘂「エーダイ」、寒冷地用のこぎり開発
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- 新聞名:
- 北海道新聞
- 元UR(アドレス):
- http://http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0248828.html
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- 記事
-
刃物製造業の「エーダイ」(北見市留辺蘂町)と「岩崎目立加工所」(島根県大田市)が、凍結した木材を効率良く切断できる寒冷地用帯状のこぎりの共同開発に取り組んでいる。
岩崎目立加工所が特許を持つ特殊技術と、凍結材向け硬質刃の製造に定評があるエーダイのノウハウを組み合わせたのこぎ
りを商品化し、需要が高いロシアへの販路開拓を視野に入れる。
年内の完成を目指す
帯状のこぎりは、製材機器に取り付けて高速回転させ、原木の丸太から製材を切り出す。
一般的な帯のこは、1日半から3日ほどで刃が摩耗してしまい、その都度歯を研磨したり取り換えたりする必要がある。
このため、岩崎目立加工所は、一つ一つの歯の着脱が可能な「インサートチップ刃」を作る技術を開発し、昨年までに四つの特許を取得。
破損や摩耗した歯だけを簡単に交換することで製材時間や経費を縮小できるため、国内外で引き合いが多く、ロシアの林業関係者も強い関心を示しているという。
ただ、ロシアのような寒冷地では、木材の断面が切断の摩擦で一瞬熱くなり、すぐ低温に戻るため木くずが木材に付着しやすい。
一方、エーダイは、人工ダイヤモンドで研磨した超硬質のセラミック刃を取り付けた帯のこを開発し、製材時に発生する木くずを大幅に減少させた。
岩崎目立加工所とエーダイは
互いの技術に注目し、7年ほど前から意見を交わしてきた。
両社は2月末、置戸町の新生紀森林組合の工場で、凍結材を使った製材試験を実施。
岩崎目立加工所の岩崎義弘社長が2種類の試作品を持ち込み、氷点下15度の中、カラマツの丸太を厚さ3センチほどの板状に切る作業を繰り返した。
岩崎社長は断面を確認し、「思ったよりきれいな仕上がりで安
心した」と笑顔を見せていた。
今後、実験に使った帯のこをエーダイが研磨し、切れ味が変化するかどうかを確認する。
年内にも岩崎目立加工所で寒冷地用インサートチップ刃を完成させる予定。
エーダイの引地武男社長は「喜ばれる製品を作り上げたい」と意気込んでいる
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