奥多摩町を訪れてもらうためには、立ち寄りたいと思える魅力的な場所があることも大切なこと。
こうした拠点づくりも「東京・森と市庭」はサポートしているのです
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奥多摩駅前の古民家をリノベーションして営業している「ビアカフェ・バテレ」。
2015年7月よりビアカフェとしてオープン。
昨年12月に発泡酒醸造免許を取得。
2016年3月に自家製ビールを販売開始
「東京・森と市庭(いちば)」の仕事とは?
では、ここからはそんな「東京・森と市庭」が、どんな活動展開をしているか、紹介していきましょう。
いま木が売れなくなってきて、森の価値がなくなり、森が荒れてしまっている状態になっています。
スギとヒノキの1立方メートルあたりの単価は1979年がピークで、現在はその2、3割まで落ち込んでいるんです
林業が衰退しているので、なかなか活用されていかない。
森自体が死んでしまっている。
人口も少なくなって地域の自立もままならない。
そこにもういちど価値ある森を取り戻し、付加価値をつけて商品をつくり、森と都市をつなげていきたいと考えているんです
農家が畑のそばで農家レストランをやるように、林業も自分の山の材を近所で販売していきたい、それが「東京・森と市庭」の思いです。
木材は奥多摩町の森林所有者の方が森林を現物出資してくださり、そこの木材を使えるようにしています
東京の森から材を出し、加工して、販売しています。
農業でいうところの六次産業化ですね
このように“東京の森”をブランドとして育てていきたい、と話す菅原さん。
そのため「森と市庭」では林業の一般的な商品とは違い、東京の森に生えている木の状況に合わせて商品を開発しているそうです
樹齢20年~30年生の細い間伐材や、節がたくさんあるような木材に価値をつけて売っていこうと考えています
その代表的な商品が「モリユカ・09」です。
間伐材を使った置き床タイルで、材料は東京産の「ヒノキ」です。
昨年「ウッドデザイン賞」を受賞しました。
8枚の板を張り合わせた一辺500ミリの正方形。
厚さは一般的なオフィスの床でよく使われるタイルカーペットと同じ、9ミリ。
それぞれの板はカッターで切り離せるので、さまざまな大きさに調整しやすいつくりになっています
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「東京・森と市庭」の主力商品「モリユカ・09」。
幅:500mm、長さ:500mm、厚み:9mm、素材:多摩産ヒノキ材(無節)、裏面クラフトペーパー。
ウッドデザイン賞2015受賞。
500mm角のパネル状で軽く、カットも容易
オフィスや部屋の中に「無垢の木の空間」を手軽につくることができるんです。
オフィスで使うことを前提にしているので、9ミリという厚さを採用しました。
既存のタイルカーペットの上に置いたとしても、ドアなどの建具の干渉を受けづらい仕様にしています
とくに間伐材は細い材料になるので径が細くても使えるサイズにしました。
薄いのでホームセンターに売っている手ノコなどで切ることができ、角などの仕上げの施工も簡単です。
パネル式なので、並べていくのも早く、無垢の木の床をつくることが容易になる商品です
木本来の魅力をまずは体験していただきたいので、塗装をしない無垢が基本。
靴あとがつかないようにウッドステイン塗料でのカラーリングのサービスもあります。
こちらは自然塗料なので身体に害がない安心・安全な塗装です
最初はオフィスで靴のまま使用する方向で考えていた方も、敷きつめてみると素足が気持ちよいので土足厳禁にしたくなるようです。
私も何度か施工に立ち会っていますが、敷いた後のお客様の喜んでいる反応を見ると、とても嬉しいです
モリユカ・09の導入事例としては、株式会社ミュージックセキュリティーズ、株式会社ツクルバのオフィスや、都内個人マンションのリビングスペースなどがあるそう
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それぞれのタイルが組み合うよう、縁にはオス・メスの「さね」がついている。
モリユカ・レンタル
もうひとつ「東京・森と市庭」ならではのユニークな商品が、東京スギの床板レンタルサービス「モリユカ・レンタル」です
「モリユカ・レンタル」は床をレンタルすることを前提にしたものです。
厚さが20ミリ。
裏面には3ミリのゴムがついていて、タイルカーペットの上にそのまま置いても滑りにくいつくりになっています
だいたい30平米のオフィスのフロア全体に敷きつめて、レンタル料は1ヶ月あたり約1万円。
初期費用がかからず、気軽に無垢材の床を導入することができます
モリユカ・レンタルの導入事例としては、NPO法人フローレンスの飯田橋オフィスや衆議院議員会館会議室などがあるとのこと
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東京スギの床板レンタルサービス「モリユカ・レンタル」。
20mmという贅沢な厚さのスギ板に、ゴムシートを取り付けた置き床タイプ
東京の森に愛着をもってもらうために
このように、共同出資者として名を連ねているオフィスプロデュースの会社、環境共生型住宅のコンサル会社と一緒に、リノベーションやDIYの会社などとも協力して事業を展開し、少しづつお客様も増えてきました。
今後は、商品の販売はもちろんですが、森を体験してもらう機会をどんどん増やしていきたいそうです
会社のミッションとして林業をなんとかしたいという思いがあるのですが、そのためには商品を売っていくだけではなく、森のある奥多摩町にきていただき、「東京の森」に愛着をもっていただくことが大切だと考えています
東京にこれだけの豊かな森があることを、都民の方々はあまり知らないのではないでしょうか。
じつは東京23区の面積より、東京都の森の面積のほうが大きいんですよ。
実に、東京都の36%が森林なんです
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確かに、東京と言われて“森”というイメージはあまりなかったような気がします
森の価値を伝え、東京の森で育った木をつかった商品で、東京の森を再生させる「東京・森と市庭」。
これまでのイメージや価値観とはまったく違った、あたらしい東京の魅力を提供してくれているのではないでしょうか
森と都心のコミュニケーションの拠点づくりや地域再生の取り組みに、これからもいろいろ注目していきたいですね
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