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- ID:
- 34921
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0223
- 見出し:
- 西粟倉の「百年の森林」で家具をつくる「木工房ようび」が火事で全焼。
彼らの活動復興を応援する
- 新聞名:
- greenz.jp-
- 元UR(アドレス):
- http://greenz.jp/2016/02/24/youbi_help/
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
西粟倉の「百年の森林」で家具をつくる「木工房ようび」が火事で全焼。
彼らの活動復興を応援するプロジェクト「負けるな、ようび、愛してる」が発足!
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岡山県の北東端、西粟倉村。
そこで2008年に始まった取り組みが、森林再生事業「百年の森林構想(ひゃくねんのもりこうそう)」です。
人の手で植えた木は、木材として出荷されるまでに50年かかると言われます。
50年前に植えられた森を放置せず、再び手をかけて美しい森を50年後に残す。
そんな未来に向
けて、この村に移住した若者たちが地域を活性化しています
その「百年の森林構想」を担うローカルベンチャー(地域起業家)のひとつが「木工房ようび」(以前、greenz.jpで紹介した記事は、こちら)
「百年の森林」の傍らでひたむきにものづくりをしていた「木工房ようび」に、とても悲しい出来事が起こりました。
西粟倉村のローカルベンチャーを襲った悲劇
2016年1月23日の早朝、「木工房ようび」の工房が火事で全焼してしまいました。
幸いにも人的被害はありませんでしたが、今までつくってきた家具も、機械も、材料も、場所もなにもかもが燃えてなくなってしまいました
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損害総額8000万円以上、起業して間もないローカルベンチャーにとって重過ぎる被害。
なによりも、代表の大島正幸さんが6年11か月前から、こつこつと積み重ねてきたものが一瞬で黒炭になった衝撃は計り知れません
正幸さん 僕は「西粟倉のひのきを使って家具をつくって未来を明るくするんだ!」って、ひたすら家具をつくってつくってつくりまくってこの6年10か月走ってきました。
けれども、そうやって一生懸命つくってきた物質的なモノをこの火事ですべて失ってしまって、手元にはなにもなくなってしまった。
今はそれがなくなってしまったと認めることが怖い。
そして悔しい
でも、僕の手は無事でした。
振り返ると仲間がいました。
僕は、すべて失ったわけじゃないと気がつきました
絶望的な状況の中で、正幸さんと仲間たちの6名はすぐに再起を誓います。
そう、彼らは諦めることは最初から考えていませんでした。
ものづくりをする術を失った職人たちは、それでもものをつくることを諦めません
西粟倉村で、これからも、ものづくりをしていく
これが、ようびの新たな目標になりました
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木工房ようびを“勝手に”応援する「負けるな、ようび、愛してる」
そんな彼らに、全国から支援したいという申し出が届きます。
「彼らにもう一度ものづくりをしてほしい」、そんな全国からの声を集めて、木工房ようびを“勝手に”応援するプロジェクトが発足しました。
それが「負けるな、ようび、愛してる」です
復興に心血を注ぐ木工房ようびのみんなに代わり、この事務局をやっているのがgreenz.jpライターの私、アサイアサミです
ライターという立場で私は、何年も彼らと関わってきて、彼らのソーシャルグッドな取り組みを深く取材してきました。
火事に遭ったと訊いたとき、彼らよりも派手に悔し涙を流してしまいました。
それほどに燃えてしまったものは、清く尊いものだったのです
彼らを助けたい半分、あの取り組みは社会にとって必要だという使命感半分、彼らをわたしができる方法で支援しようと決めました
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西粟倉村の「西粟倉・森の学校」「村楽エナジー」をはじめ、ローカルベンチャーたちが現地で手助けをする中、全国、いや全世界で「木工房ようび」のものづくりを応援したい、その気持ちが「負けるな、ようび、愛してる」プロジェクトになりました。
プロジェクトの内容は主に
・彼らの近況を木工房ようびラバーズに届けること
・木工房ようびラバーズの声を彼らに届けること
・全世界で同時多発で起こっている支援活動を紹介すること
私はライターなので、文章がかけます。
メディアを通して、彼らの今までの取り組み、そして、これからも続けてほしい価値を伝えていこうと思います。
また各地で、義援金を募るなど、彼らの人徳がなせるホットな支援をFBを通してお知らせしています
そしてなにより、一番大事なことが「彼らのものづくりを持続させること」です
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幸いなことに、去年、彼らは事業拡張で東京・奥多摩にサテライト工房をつくっていました。
西粟倉村の工房ほどの規模ではないにしろ、少量であればものづくりが再開できます。
木工房ようびは、西粟倉村の工房を復興する班と東京でものづくりをする班にしばし分かれることになります
そこで、新規に家具を発注することで彼らにものづくりを持続させる支援が有効だと考え、木工房ようびの家具を「買って応援する」ECサイト「負けるな、ようび、愛してる」も立ち上げました。
職人集団の彼ら、家具の注文が殺到したら、それを心の支えに、復興やものづくりに励むと思うんです。
奥さまの奈緒子さんは、こう話します
奈緒子さん これからも、ものづくりで生きていきたい。
やがて風景になるものづくりを諦めません。
どうか、力を貸してください。
つくらせてください
お届けは少し先になりますが、つくるものがある、という事が、私たちの応援にもなります
必ず、ようびは、ご迷惑をかけた分、応援された分、困難を乗り越えた分、今より、強く、愛されるチームにそしてよりよいもの、美しいものをつくります
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この誓いの先にあるものづくりと、その周囲にある風景を、見たいと思いませんか? ぜひ、彼らのことを多くのひとに知ってもらいたいと願っています
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