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- ID:
- 34548
- 年:
- 2015
- 月日:
- 1226
- 見出し:
- 古材再生じわり人気 宗像市の佐藤木材、ショールーム開設
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/215236
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
福岡県宗像市稲元の佐藤木材店は、住宅建て替えなどの際に残る古材のリサイクルに力を入れている。
店や自宅に古材を使いたいという需要が増えており、古材で内装したショールームを先月開設した。
木材店二代目の佐藤基久さん(45)は「廃材のように見える材木を洗って磨くと、脂がにじんでくる。
味
わいがある古材は宝の山です」と話す
「この壁の木材は何?どうやって壁に固定しているの」。
ショールームを訪れた小郡市のゲズ・トムさん(37)、千幸さん(36)夫妻は、触って材質を確かめながら佐藤さんに質問した。
中古住宅を買い、自分たちの好きな内装に作り替えている最中だという。
しっくい壁に合う古材をインターネットで探していたが
、実物を見られると聞いて家族で店を訪れた
フランス出身のトムさんは「ヨーロッパの家は100年以上たっているものが多いので、古材には親しみがある。
歴史を感じられるし、温かみがあっていい」。
以前は足場用に使われていた板を見つけ、木目や厚みを気に入ったようだ
ショールームに展示されている木材は、国内のものだけでなく輸入品もある。
体育館の床に使われていたという板には、球技で使用したラインの跡。
工事現場で使われていた板にはペンキが飛んだ跡がある。
「ジーンズと同じで、キズや汚れを味わいとしてとらえる。
それが古材の魅力」と佐藤さんは話す
◇ ◇
同店は創業者の父が大分県日田市出身で、もともと日田杉などの新材を扱っていた。
昭和40~50年代、ベッドタウンとして宗像市が発展し、建築ラッシュの頃だったという
佐藤さんは県外で修業を積み、12年前から父の店を手伝い始めた。
新材を販売する一方、解体現場で見かける廃材を惜しいと感じ始めた。
「住宅に使う木材は60年以上かけて育てる。
うまく使えば200年近くもつのに」。
ほこりまみれの廃材を引き取り、水洗いしてグラインダーで磨くと木目が浮き上がり、
脂も出てきた。
まだ十分に使える
新材と違い古材は販売価格がはっきり決まっておらず、安定供給も難しい。
手がけるのは難しいと考えていたところ、香川県の木材店が古材の輸入販売を手がけているのを知った。
現在では佐藤木材を含め全国5店がネットワークを組み「古材日和グループ」として委託販売や在庫の融通をしている
「古い家を解体すると、近くの山の木材を使い、しかも何度も使い回していることが分かる。
昔は当たり前だった木材リサイクルを復権させたい」。
まきストーブが燃える事務所で、佐藤さんは力を込めた
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