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    ID:
    34545
    年:
    2015
    月日:
    1227
    見出し:
    木材活用した新国立競技場デザイン 東京・多摩産材の使用は進むか
    新聞名:
    BLOGOS
    元UR(アドレス):
    http://blogos.com/article/151968/
    写真:
    【写真】
    記事
    仕切り直しとなった新国立競技場の新しいデザインは、建築家・隈研吾氏の「A案」が採用されることになりました。
    「木と緑のスタジアム」がコンセプトとし、すり鉢状の3層構造で木材をふんだんに活用しているのが特徴です  ただ巨大な建築物を木造で建設して耐震性や防火性は大丈夫なのだろうかと疑問を抱いた人もいるのではないでしょうか。
    近年、技術向上によって耐震性や防火性に優れた木造建築が可能になりました。
    そうした事情もあり、木造建築が見直されているのです。
    新国立競技場に木材がたくさん使われること になれば、長年定着してしまった木造のイメージは変わり、再び木材の利用が進むのではとの期待が高まっています 技術革新と法制定で大型木造建築が可能に  2013(平成25)年、神奈川県横浜市に大型商業施設「サウスウッド」がオープンしました。
    「サウスウッド」の特徴は、大型ショッピングセンターにも関わらず木造で建設されていることです  昭和初期に日本全国に建てられていた木造建築物は空襲で、ほとんどが燃えてしまいました。
    そうした教訓から、政府は1950(昭和25)年に建築基準法を改正。
    大型の木造建築を禁止しています。
    戦後、長らく日本国内では木造建築は耐火性や耐震性に劣るとされてきたのです  ところが、最近は技術革新が進み、耐震性や耐火性に優れた木造を建設することが可能になったのです。
    調湿性や遮音性にも優れている木造建築は、住宅メーカーから注目されるようになりました。 大型の木造建築物を禁止していた建築基準法が、2000(平成12)年に再改正されて、大型の木造建築物が解禁されました。
    そうした“木造復権”の機運をさらに後押ししたのが、2010(平成22)年に菅直人内閣が制定した「公共建築物等木材利用促進法」です。
    同法によって、大型の木造建築が各地でつくら れるようになったのです 2007年から木材利用の促進進める東京都 [写真]多摩産材が用いられた東京都檜原村の中学校教室(東京都提供)  東京都は石原慎太郎都知事(当時)が主導して2007(平成19)年に「緑の東京募金」を創設。
    政府の木材利用促進よりも早く、都内の緑化や林業の振興・木材利用に乗り出しています 「東京都の多摩には、約5万3000ヘクタールにも及ぶ森林があります。
    これらは戦後復興期に植林されたものが大半です。
    これらは50年生となり、木材として利用可能になっています。
    ところが高度経済成長期からバブル期に欠けて林業は衰退してしまいました。
    その間、林業従事者も減ってしまい、多摩の山林 は放置されたままで伐採が進んでいないのです」(東京都産業労働局森林課)  林業が衰退してしまった主な理由の一つに、安い外国産木材が大量に輸入されるようになったことがあります。
    輸入木材によって、割高な木材は売れなくなりました。
    木材が売れないから、就業人口が減少する。
    就業人口が減少するから、伐採が進まない。
    日本の林業は悪循環に陥り、昭和30年代頃から約 50年間の空白期間を生みました。  森林が伐採されずに放置されると、新しい木が植えられなくなります。
    森林が更新されなくなるのです。
    きちんと森林が管理されないと、土砂災害の要因にもなります 木材が消費されないと植え替え進まず [写真]上野公園内にあるベンチが多摩産材でつくられたことをPRする看板  また、昨今は花粉の少ないスギの木も開発されています。
    花粉症対策として古いスギを伐採して、花粉の少ないスギ植え替える計画も立てられていますが、木が伐採されないので思うようには進んでいません。
    森林の更新することは治山・治水だけではなく、私たちの健康対策にもつながっているのです 「森林伐採が定期的に行われるためにも、国内産の木材が消費されなければなりません。
    東京都は知事会見室の演台や知事特別応接室のソファ、テーブルなどを多摩産材製のものにして、少しでも多摩産材の製品をアピールしています」(同)  東京都は都内にある公園のベンチや遊具などでも多摩産材を積極的に使用するようになってきています。
    また、「木とのふれあい推進事業」として、都内の小学校や保育園などの内装でも木質化に取り組んでいます。
    それでも、まだ多摩産材がたくさん使われているとは言い難い状況です 新国立競技場に多摩産材が使われる?  それだけに、木がたくさん使われることが想定される新国立競技場案は開催都市・東京の多摩産材をアピールする絶好のチャンスといえます  しかし、国立競技場に多摩産材が使われるには、クリアしなければならない課題があります。
    オリンピックの競技場などで使われる木材は、森林管理協議会から国際認証を受けなければならないのです。
    多摩産材は、国際認証を取得していません 「東京都は今年度中に計画書を作成し、来年中には多摩産材が国際認証を受けられるように、準備を進めています。
    国立競技場に少しでも多摩産材が使われることになれば、東京の林業が活性化するでしょう。
    そのためにも、多摩建材の国際認証の取得を急がなければなりません」(同)  新国立競技場案には、東京の林業が元気を取り戻すといった意味でも大きな期待が寄せられているのです fff:

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