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ID:
34513
年:
2015
月日:
1217
見出し:
新国立競技場の木材」で透ける世間の眼
新聞名:
BLOGOS
元UR(アドレス):
http://blogos.com/article/150513/
写真:
-
記事
先日、Yahoo!ニュースに執筆した「新国立競技場の知られざる不安。
デザイン案にある木材は調達できるのか?」、結構な反響がある。
ちょっとびっくりぽんや 何が驚いたかって、単にアクセスが多いことではなく、多くのコメントが付いたこと。
Yahoo!ニュースだけでなく、ツイッターやフェイスブック、さらにブロゴスにも転載されており、それぞれにコメントなどがついている。
そして私のところへ直接メールも来ている。 また新聞や雑誌からの取材要請も入っており、もしかして、二次記事になるかもしれない それらに目を通して、まず思ったのは、案の定、目のつけどころがズレているでしょ♪ である。
そして、ちゃんと読んでいないなあ、であった。
だいたい私は、2案に反対しているわけではないし、木造でスタジアムは無理、と書いたわけでもない 私の書いた意図は、新国立競技場をネタにして、森林認証制度について世間に知らしめよう、であった。
そう、眼目は森林認証なのである。
事実、記事の後半は森林認証絡みのことばかり書いている。 それなのに、勝手に国産材全般に広げて解釈したり、本筋を放置して脇の小さな点にツッコミが入ったり。
まあ、私もネット記事なもんで、筆が滑ったところはある(滑っているのを認識しつつ書いている)んだけど 私は,基本書いたものをどのように曲解されてもいいや、という立場を取っている。
人間、どんなにていねいに説明しようが、完全な記事を書いても、誤読・誤解釈されるものなのだ。
これは私が取材を受ける側に回っても感じることだが、完全に理解してもらえることなんかわずかだ。
だから、放置する。
ただ根幹だけ は理解してほしい……というのが本音。
まあ、それさえも裏切られることが多いが そうした点は、以前「想定外を生まない防災科学」の書評 でも書いた通り。
さて、愚痴?はここまで。
私が今回の記事を書き、その反応に目を通して、もっとも興味深かったのは、実は、世間の林業や木造建築に向ける眼であった。 ちょっと抜き出してみよう。 ・本当にいいのか。
木で ・木なんか使うなよ。
強度もないし。
木は日本らしいなんかやめてくれ! ・木材は支持したいが、耐久性や腐食性が問題 ・伊勢神宮の式年遷宮を見ても、数十年に一度の取替えが必要 ・耐久性考えろよ~!ばかーー 地震だってまたいつくるか分かんねんだぞ!! ・そんなでっかい木、国内に無いよ。
。
。
落葉樹も針葉樹も巨木は伐採には反対者も多いからね ・難しいでしょ・・・、どれだけの技術でも経年劣化で木が離れてしまうんじゃないのかな? ・杉と欅は伐採でお願いします。
これ以上花粉症を悪化させたくない! ・この際だから、日本中の杉の木切って使ってくれればいいのにね。
花粉症が楽になるかもしれないし ・集成材って湿気に弱いんじゃなかった?耐久性は大丈夫なんだろうか? ・素人の考え方としてよ 競技場みたいな大きな会場の素材に『木』って ないわ~ ・そもそも、木を使う、結局、保守で、後からコストが掛かるのでは? 実に多くの人が、木造の巨大建築物に否定的なのだ。
多くは耐久性とか、耐震・耐火性などを心配しているようだが、森林を憎んでいる(苦笑)ような人も多い もちろん森林認証制度のことなんぞ、まるで知らないし、興味もないらしい。
(なかには的確に木材と建築について記したものもあるが。
) 現代の木材科学が知られていないだけでなく、木造に不信感を持っているような感じを受ける。
木材イコール燃える、弱い、腐る、なのである。 ここで、そうした「無知」を嘆くつもりはない。
むしろ、いかに木材に関する情報が伝わっていないか、関係者(そして私)の努力不足を感じる。 だから、世間のこうした眼を十分に知ることが大切だ。
木造なら日本的だとか、癒される、なんて勝手に喜んでいたら、世間の感性を見誤るよ、ということだ。
林業木材関係者が思っている(望んでいる)ほど、日本人は木に興味を持っていないよ。
。
山側の人は、これらの「誤解」を解くか。
そうでないと、森林認証までは遠い。
(取材を受けたら、思いっきり森林認証制度について吹くよ! ) fff:
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