v11.0
- ID:
- 34502
- 年:
- 2015
- 月日:
- 1215
- 見出し:
- 木製サイロ解体へ 老朽化で維持管理困難
- 新聞名:
- 苫小牧民報
- 元UR(アドレス):
- http://www.tomamin.co.jp/20151233253
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
昭和初期に建てられ、本道酪農の歴史を伝えてきた安平町遠浅の木製サイロが近く解体される。
長く酪農の牧場で使用され、牧場主が大切に守ってきたが、老朽化の進行で維持管理が難しくなった。
現存する木製サイロは全国的にも珍しいものの、解体の方針を受けて同町は文化財指定を解除した。
木製サイロは高さ12・7メートル、内径4・5メートル、120トンの飼料を貯蔵できる大きさで、1931(昭和6)年に造られた。
当時、空知地方から遠浅地区へ入植した酪農家たちが、空知川の木造橋の架け替え時の払い下げで手に入れたエゾマツやトドマツの古材を利用して建設。
外壁には148枚の板(
長さ3・6メートル、幅18~25センチ、厚さ6センチ)を使用し、くぎを打たず、外壁の板を丸鋼のたがで締め付ける「漬物桶(おけ)式」という工法を採用している。
木製サイロは、国内でも北海道に数基しか残っていないとされる貴重な存在で、2004年に旧早来町が有形文化財に指定した。
木製サイロは、遠浅の山田牧場が78年ごろまで使用。
牧場主の山田羔(こう)さんが昨年5月に83歳で死去した後も、妻の美恵子さんが大切に守り続けてきた。
しかし、建造から80年以上たって腐食や老朽化が進んでいたという。
今年10月には、強風で屋根の窓枠が落下し、修繕しなければ倒壊する恐れが高いため、町は山田さん側と相談。
所有者負担の修繕には多額な費用が掛かり、移築して町が管理することも、復元の難しさから断念した。
一時は、国の文化財指定による保存も目指したが、周辺環境整備の必要性などから
、実現には至らなかった。
このため、町は山田さん側や遠浅酪農組合と協議し、「解体はやむを得ない」との意見を受けた。
これにより、11月27日の町教育委員会で文化財の指定を解除。
文化財保護委員会からは、解体後の資材の有効活用を求める意見があり、町として検討していく考えだ。
指定解除については、15日の町議
会定例会で滝孝町長が報告した。
サイロは年内に解体される予定で、山田美恵子さんは「地域の歴史を伝えるサイロとして親しまれ、思い出もたくさん詰まっているので、取り壊すのはつらい」と言い、「これまでに多くの人に見学していただき、感謝しています」と話した
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