v11.0
- ID:
- 他にはない」と話す
34461
- 年:
- 2015
- 月日:
- 1212
- 見出し:
- 「木製おもちゃ」で誕生祝い 長野県内でも
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mainichi.jp/articles/20151213/k00/00m/040/009000c
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
誕生祝いとして、地元の職人が地元産材で作ったおもちゃを贈る自治体が長野県内でも増えてきた。
木製品に触れることで木材の魅力を親子に伝えると共に、森林の役割や大切さに目を向けてもらう「木育」の一環で、林業や木工業活性化への期待も大きい。
【古川修司】
11月19日、同県塩尻市保健福祉センターであった4カ月児の健診会場に「木のおもちゃお渡し場所」が設けられた。
机上には、オルゴールが鳴る車、積み木などが並ぶ。
同市奈良井の土川多満美さん(42)は、受け取ったおもちゃで遊ぶ長男未奈斗ちゃんを見て「きれいに作られていて、ぬくもりを感じる」
と喜んだ
同市は今年度生まれの子供から、市内や周辺で県産材を使って作られたおもちゃをプレゼントしている。
希望者に5種類から選んでもらい、4カ月健診時に保護者に手渡す
同市大門三番町の自宅兼工房で「動物のガラガラ」を作る西牧伸悟さん(49)は「投げても壊れず、なめてもかじっても安心。
家族で楽しめ、次の世代にも受け継げるものにした」と胸を張った。
■ ■
「最初のおもちゃ」として地産地消の木製品を提供するなどの「ウッドスタート」は、東京おもちゃ美術館を運営するNPO法人日本グッド・トイ委員会(多田千尋理事長)が提唱している。
美術館のある新宿区は、2011年度に木のおもちゃ贈呈を開始。
森林資源のない同区に、友好都市である長野県伊那市の木工職人らで結成した「ウッドフォーラム伊那」が製品を供給する。
伊那市も12年度から、市内在住の6カ月の乳児全員に同フォーラムなどが手がけたおもちゃを贈っている。
同市耕地林務課は「市民に木を使うことへの理解が深まり、職人にとっては安定した仕事になる。
新たな事業団体が参入するなど、木工産業の振興につながっている」と説明。
同県大町市でも制度がスタートし、11月に1歳半健診に来た幼児に木曽ヒノキの木箱入り積み木セットを渡した。
■ ■
日本グッド・トイ委員会には、山間部の自治体から「ふるさと創生事業で木育に力を入れたい」という相談が相次ぐようになった。
ただ、安全・丈夫で機能性に優れた製品作りには経験が必要なうえ、出生数の少ない山村では地元需要も限られる。
このため同委員会は、企画設計や民間企業・団体と連携した「地産外消」への協力も手がけているという。
さらに、馬場清事務局長は「おもちゃは、暮らしの中に木を取り入れる入り口でしかない」と指摘する。
木育インストラクターの養成▽子育てサロンでの木育事業▽木にかかわる人たちによる「木育円卓会議」の開催−−など、同委員会が掲げる事業に幅広く取り組む自治体は、まだ全国でも塩尻市など一部に過ぎない
fff: