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- ID:
- 33712
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0820
- 見出し:
- 県道工事に 県産木材
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/local/fukui/news/20150819-OYTNT50047.html
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- 記事
-
◇耐用性高め 地盤改良に
◇福井など 工費、二酸化炭素も削減
県道の地盤改良工事に県内産の木材を活用する取り組みが広がり始めた。
これまで土木工事には不向きだと思われてきたが、強度や耐用性を高める研究が進んで弱点を克服。
地球温暖化対策や林業の活性化につながるほか、荒廃しがちな山地が適切に管理されて土砂災害の危険性も減ると期待
される。
(平井宏一郎)
県の県産材活用課などによると、全国的に木材の需要が低迷する一方、県内では人工林が年々増加しているのが現状。
いかに木材資源の利用拡大を図るかは喫緊の課題で、さらに、光合成を通じて内部に二酸化炭素を吸収する性質から、地球温暖化対策に貢献できるという側面もある。
一般的に腐りやすいというイメージを持たれがちだが、用途や工法により、十分な強度や耐用年数を保つことは可能とされる。
学識経験者や森林組合などでつくる「県木材利用研究会」は、木材を使った工法に関するマニュアル作りに着手。
建築業者向けに講習会も開くなどして普及を後押ししており、実際
の施工例も出てきた。
2011年度から今年3月下旬まで福井市の杉谷町―今市町間で行われた県道工事(総事業費約6億8900万円)では、水田に囲まれるなどして軟弱だった地盤の改良を目的に、2~4メートルの県産材の木杭ぐい575本を基礎として打ち込む工法を採用。
セメントを使った場合と比べ、工事費を約126
0万円削減することに成功した。
木杭が大気中から取り込んだ二酸化炭素の量は、計35・7トンにのぼるという。
他にも、高浜町や小浜市の県道で軟弱地盤への対策として木杭が使用されるなど、利用は少しずつ広がっている。
研究会の事務局を務める県建設技術研究センターは「工事での利用実績が積み上がることで、木材がより身近になるはず。
地球温暖化対策などにもつなげていけるよう普及に向けて努力したい」としている
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