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- ID:
- 33625
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0803
- 見出し:
- 南会津の木材世界に ブランド“樹立”へ 国際基準認証で価値高く
- 新聞名:
- 福島民報
- 元UR(アドレス):
- https://www.minpo.jp/news/detail/2015080424480
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
南会津町で町内の森林をブランド化し、地元産材や加工品を国内外の市場に売り込む事業が本格化する。
地元の林業・建築関係の事業者や団体でつくるNPO法人が県内で唯一、林野庁の補助を受けて国際基準「環境森林」の認証取得を目指す。
町内面積の9割を占める森林の価値を高めて地域
再生につなげる。
事業主体は町内の20事業者や森林団体でつくるNPO法人「みなみあいづ森林(もり)ネットワーク」。
平成28年度内にも木材や木製資材の国際評価基準となっている一般社団法人「緑の循環認証会議(SGEC)」による認証を受けた森林を町内に増やす。
南会津町では豊かな森林が育んだ水を生かした
米作りや日本酒造りが盛んなため、「環境森林」によってさらに魅力を高めようと取り組む。
少なくとも500ヘクタール以上で認証取得を目指す。
今年度は林野庁の「森林認証材供給体制構築事業」を活用し、500万円の補助金交付を受けて森林所有者への聞き取り、生態系の研究などでふさわしい森林を絞り込む。
調査は東京都の林業経済研究所などと連携する。
候補地を選定後、地元説明を経て、SGECに申請する。
SGECによると、環境への関心の高まりを受け「環境森林」で生産された木材や資材を積極的に活用する動きが広まっている。
木材の海外取引は、認証材が取引の前提となるケースが多く、認証で国際競争力や評価が高まり、販路拡大が見込まれる。
取引拡大で雇用創出や森林環境維持に向けた費
用捻出も期待する。
さらにSGECの「林産物流通管理システム」の認証も得たい意向だ。
ネットワークの加盟業者が生産する資材や木製品が、優れた技術や適正管理を経て出荷されているとの“お墨付き”ともいえる証しで、「南会津産ブランド」の確立を後押しする。
建築用材をはじめ家具、食器、おもちゃなどに統一のラベル
を貼付して信頼のブランドであることをアピールする。
ネットワークのメンバーは、5年後となった東京五輪で南会津産ブランドを世界に発信する夢を抱いている。
ロンドン五輪は、関連施設の多くで認証材を使用した。
東京五輪も同様の傾向になる見通しだという。
魅力発信の好機と捉え、ブランド力を磨く。
■地域再生期待強く
南会津町は、森林が総面積の9割に当たる約8万ヘクタールを占める。
その一方で林業の担い手不足や人口減が大きな課題となっている。
同ネットワークの芳賀沼伸さん(59)、関根健裕さん(42)、松沢瞬さん(27)ら中心メンバーは豊かな森林資源に新たな付加価値を付け、地域再生に結び付けたい-と意気込む。
芳賀沼さんは「南会津の森林は大きな可能性がある。
認証制度を活用し、世界に誇れる林業の中心地にしたい」としている。
※一般社団法人緑の循環認証会議と森林認証制度
同会議は環境保護や違法伐採対策に向けて平成15年度に設立された。
「生物の多様性」「水資源などの保全」「間伐などで森林の健全性が維持されている」など7つの国際基準に照らし合わせた森林を認証している。
1月現在、全国で約125万ヘクタールの森林を認証し、県内では三井物産や日本製
紙などの企業が所有している約3300ヘクタールが認められている
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