v11.0
- ID:
- 33373
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0628
- 見出し:
- 故郷の熊本から運ぶ 育てた杉材を利用した木工教室
- 新聞名:
- 大阪日日新聞
- 元UR(アドレス):
- https://www.nnn.co.jp/dainichi/rensai/people/150628/20150628033.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
「昨年の12月の段階ではスギの伐採さえしていない状態だった。
4月の開校は絶対に無理だろう」と言われたが、協力者が次々にあらわれ同月15日、地下鉄北加賀屋駅近くの国道沿いに木工教室「ウッドロード」の開校にこぎ着けた。
ステンドグラス教室やカフェ、木材の販売スペースもある。
「教室内の壁に使用する木は、皮を残した生木そのまま。
木工教室ならではの空間を演出しました」と、現在は80人以上の生徒が、イスやテーブルなどさまざまな工作に励んでいる。
倉田さんは中学卒業後、車に憧れツテを頼りに熊本から大阪へ。
ガソリンスタンドに就職して修理を担当し、早朝から夜遅くまで仕事に明け暮れた。
「親を安心させたい一心で23歳になった年、熊本に900坪の山を購入し、スギの苗木を家族で協力して植えた」という。
倉庫を改装した2階建ての外壁や、梁(はり)、丸太の柱、階段に至るまで、すべて故郷の熊本で育てたスギの木を使用している。
木材を建築用材として使用するには植樹から40年はかかると言われているため、一代で植樹して伐採、利用できるのはきわめてまれなこと。
そのユニークさが評価され、今年4
月、東久邇宮(ひがしくにのみや)文化褒章を受章した。
「一生分の運を使ったかも」と謙遜するが、倉田さんのこれまで積み重ねてきた信用の証しだ。
熊本県出身。
住之江区北加賀屋居住、67歳
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