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- ID:
- 33351
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0625
- 見出し:
- 釜石の木材で被災地再建 活用進む豊富な資源、新工法にも期待 岩手
- 新聞名:
- 産経ニュース
- 元UR(アドレス):
- http://www.sankei.com/region/news/150625/rgn1506250016-n1.html
- 写真:
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- 記事
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山野に囲まれた東日本大震災の被災地、釜石市で市内産の木材の利用が進んでいる。
今春開設された市内初の道の駅「釜石仙人峠」でも、ベンチや商品棚に活用され、木の暖かみを生かしたデザインが採用されている。
建設需要が旺盛な被災地では、豊富な木材を利用して、コストを抑えたり、強度
を増したりといった新しい工法を模索する動きも出ている。
(高木克聡)
◇
新しい道の駅は4月21日、国道283号と仙人峠道路(東北横断道釜石秋田線)との交差点にオープンした。
“まちの玄関口”として、復興需要や2019年ラグビーW杯の開催などで増加が見込まれる観光を出迎える。
地場の農産物や水産加工品を扱う産直のほか、軽食コーナーも設置されている。
釜石地方森林組合が、この道の駅で使う商品棚といすやテーブルなどを寄贈している。
いすは釜石湾から見える穏やかな海をイメージした柔らかな波型。
テーブルはラグビーボールの形をデザインした。
宅地再建でも、木材活用に注目が集まる。
その一つが同組合が提案している「柱材活用型住宅」。
角材を連結させて、パネル状に使う工法だ
合板工場が被災し加工板材の生産が進まない中で、角材をそのまま利用するため、価格は1坪当たり約50万円で一般の住宅よりも約3割安く、工期も約1カ月半と、約2カ月短縮できるという。
大量の木材を使用するため、地元木材の利用促進にもつながる。
国土交通省などが全国的に進める新たな木材の加工法の模索も始まっている。
沿岸広域振興局などが4月15日、フィンランドの建築家、マルコ・カサグランデさんを招き、CLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)工法の勉強会を開いた。
CLTとは、木目を縦と横を交差させながら、何層も貼り合わせた厚板パネルで、欧州などで利用が伸びている。
湿度に敏感な木材は木目の縦と横で膨張率が違うことから、木目をそろえた合板に比べ、加工が格段に難しくなるが、強度は飛躍的に向上する。
国内ではパネルの加工工場がほとんどないのが現状だが、普及が進めば、大型建築などへの用途拡大の道も開ける。
同組合によると、釜石市と隣接の大槌町を合わせた総面積640平方キロのうち約9割の570平方キロが森林。
木材の供給に活用できる民有林が170平方キロあり、このうち持続的な利用が可能な水準の3割を管理すると、約80人の雇用が生まれるという。
同組合の高橋幸男参事は「W杯が開かれ
る新スタジアムへも地元の木材が活用できる」と期待を込めた
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