v11.0
- ID:
- 33325
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0622
- 見出し:
- CLT生産拠点 県来年度にも着工 大熊が有力
- 新聞名:
- 福島民報
- 元UR(アドレス):
- https://www.minpo.jp/news/detail/2015062023535
- 写真:
- -
- 記事
-
県は東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域に、国内最大規模となる建築用のCLT(直交集成板)生産工場を整備する。
被災地の産業振興と県内全域の林業再生を目指した取り組みで、東京五輪・パラリンピックの関連施設で製品が活用されるよう国と調整する。
大熊町が復興拠点に位置付ける同
町大川原地区が工場の設置場所として有力視されており、平成28年度にも着工する。
■東京五輪活用目指す
19日に開かれた6月定例県議会本会議の代表質問で、柳沼純子議員(自民党、郡山市)の質問に小野和彦県農林水産部長が答えた。
東日本で初のCLT生産工場となり、国内最大級の年間5万立方メートルの出荷を目指す。
県は7月中に産学官による検討会を設け構想を具体化する。
県内の建設業者などでつくる県CLT推進協議会、原発事故に伴い避難区域が設定された12市町村、復興庁、木材を扱う民間企業などが参加する予定で、27年度は工場の設置・運営主体を決め、設置場所を選ぶ。
国内外で需要調査に取
り組む。
設置場所として浮上している大熊町大川原地区は居住制限区域だが、30年度に開設予定の常磐自動車道大熊インターチェンジ(仮称)に近く、高速道路を使い県内全域からCLTの原料となる木材を集めやすいというメリットがある。
早ければ29年度内の完成を目指す。
東京五輪・パラリンピック選手村の宿舎などに活用するよう政府に求める。
災害公営住宅での導入も検討する。
県は原発事故に伴う県産材への風評対策として、生産工場に木材のモニタリング設備を設ける方針だ。
国内林業の成長産業化を目指す国土交通省と林野庁は昨年11月、CLT普及のロードマップを発表。
36年度までに、CLTの国内年間生産量を現在の1万立方メートルから50万立方メートルまで増やす方針を掲げている。
県CLT推進協議会は今年2月、湯川村に東日本初となるCLT共同住宅を建設した。
竹下亘復興相や今井敏林野庁長官らが相次いで視察し、本県での取り組みを支援する考えを示した。
県林業振興課は「CLT産業の先進地を目指し、林業再生につなげたい」としている。
fff: