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- ID:
- 32639
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0309
- 見出し:
- まちを彩る商い文化 木彫看板の里
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.asahi.com/shopping/column/machiaruki/SDI201503068855.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
看板は商いのシンボル。
昔の看板の図録を開くと、その意匠のゆたかさに見入ってしまう。
たとえば銭湯で軒先に下げる「弓矢」。
そのココロは? 「湯に入る」が「湯入る」で「弓射る」。
そんな機知に富んだ看板がまちを彩る商い文化。
その流れを感じさせる木彫看板の風景が東川町にある。
東川には旭川家具の工場が集まっていた。
そんな背景もあって、商工会青年部は木製の突き出し看板によるまちの風景づくりを模索。
1986年に看板の先進地であるドイツなどヨーロッパの国々の視察研修へ。
そこで見た鉄製看板を木彫看板に置き換えて、部員手ずからの看板作りが始まった。
デザインは東海大学の先生や学生の協力があった。
町内の業者の力も得て制作し、2002年までに100基を設置。
廃業する店や看板の老朽化による撤去などでかなり減ったが、店主が手作りした初期の看板が今も存在感を放つ
1952年創業の浜辺薬舗の木彫看板は、欧州視察時に青年部長でもあった2代目店主浜辺啓さんが自分で彫ったものだ。
デザインは、口からべろりと舌を出す人の顔。
「客に舌を出すとは何事」という声には「舌は健康のバロメーターです」。
ヨーロッパの薬屋で実際に見た看板が手本になった。
浜辺さんは店の外壁や床にも板を使った。
「東川の風景に合うのは木の三角屋根。
木彫看板から始まった木を、ほかの部分にも広げました」。
人口増加の町としても注目される東川で、木彫看板は誇りをもてる町への一歩でもあった。
看板作りは今も進行中だ
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