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- ID:
- 32477
- 年:
- 2015
- 月日:
- 0217
- 見出し:
- 津波被災の校木がベンチで復活
- 新聞名:
- 河北新報-
- 元UR(アドレス):
- http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150217_13009.html
- 写真:
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- 記事
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東日本大震災の津波被害を受け昨年3月に伐採された宮城県亘理町長瀞小(児童193人)の樹齢140年の校木の松が、ベンチやテーブルに姿を変えてよみがえった。
16日、加工先から校内に運ばれ、児童らは思い出深い学校のシンボルとの再会を喜んだ
加工品は児童10人ほどが一度に座れる大きなベンチ2基とテーブル、花瓶を置く台など。
直径約1.2メートルの幹を輪切りにして年輪を数えることができるモニュメントもある。
いずれも、亘理町教委の委託を受けた町シルバー人材センターのメンバーが製作した
児童らは早速、校内に設置されたベンチに腰掛けて座り心地を確かめた。
伐採された校木から作られたことを教諭から伝えられると、子どもたちは「えっ」と驚きの声を上げ、懐かしそうに触れていた
松の木は高さ約25メートル。
校庭に3本並んで立っていたことから「みまつ」と呼ばれ、親しまれていた。
1885年の開校時からあったが、津波の海水に漬かった影響で枯れ、児童や住民らが昨年3月に最後の別れを告げた後に切り倒された
5年菊地柚(ゆう)さん(11)は「震災前、みまつの回りを一輪車で走ったことを思い出す。
こういう形でまた会えてうれしい」と笑顔で話した。
テーブルは校長室に置かれ、鉢植えの花が飾られた
佐藤博幸校長は「慣れ親しんだ児童らのために、何らかの形でみまつを残したかった」と振り返る。
同校の要望を受けた町教委が対応を検討。
みまつを9カ月ほど乾燥させた後に加工した
同校は校舎が津波被害を受け、昨年8月から敷地内に再建した新校舎で学ぶ。
みまつの新たな姿に佐藤校長は「すばらしい出来栄え。
みまつに託した学校と地域の先人の思いがいまでも続いていることを、子どもたちが感じるきっかけになってほしい」と願った
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