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    ID:
    【製品ページ】(2型番共通)http://www.doppelganger.jp/option/dds234/ 31923
    年:
    2014
    月日:
    1204
    見出し:
    伝統建築に光る職人技…竹中大工道具館
    新聞名:
    読売新聞
    元UR(アドレス):
    http://www.yomiuri.co.jp/teen/junior/tanken/20141201-OYT8T50136.html?from=ytop_ymag
    写真:
    【写真】
    記事
      日本で唯一ゆいいつの、大工道具をテーマにした博物館「竹中大工道具館」(神戸こうべ市)  開館30周年を迎むかえた今年、新神戸駅近くに新築しんちくし、移転いてんしました。
    伝統でんとうある木の建築けんちくを支ささえてきた数々かずかずの大工道具と技術ぎじゅつを見学し、その歴史や魅力みりょくについて取材しました。 唐招提寺の一部を再現…宮大工の技術実感 吹き抜け空間に立つ、唐招提寺金堂の一部を再現した実物大模型(神戸市の竹中大工道具館で)  「竹中大工道具館」は、竹中工務店こうむてんが1984年に神戸市に開館。
    来館者数は延のべ25万人という人気施設しせつでしたが、老朽化ろうきゅうかなどで2014年5月に閉館へいかんしました。
    10月にオープンした木のぬくもりを感じさせる新館は、六甲山麓ろっこうさんろくの自然に囲まれ、地上の ロビーから地下1、2階へと続きます。
    ロビーの天井てんじょうは奈良なら県のスギを組み合わせ、美しい形に仕上しあげるなど、工夫くふうが凝こらされています  3万点ほど所蔵しょぞうする資料しりょうの中から、約1000点を紹介しょうかいする展示室てんじしつは、七つのコーナーで構成こうせいされています。
    迫力はくりょくある実物大模型もけいや展示物によって、大工道具の世界や職人技しょくにんわざを学ぶことができます  まず、吹ふき抜ぬけ空間にそびえ立つのは、奈良県にある唐招提寺金堂とうしょうだいじこんどうの一部を再現さいげんした実物大模型。
    木が重なり合った造つくりは「組み物」と呼よばれる構造こうぞうで、宮大工みやだいくの技術のすばらしさを実感できます 石斧(右)と鉄斧による切断面の違い  初めの展示は、大工道具の歴史について。
    縄文じょうもん時代から弥生やよい時代にかけて、人々は「石斧せきふ」で木を伐採ばっさいしていましたが、鉄の伝来により「鉄斧てっぷ」ができ、効率こうりつが飛躍的ひやくてきに上がりました。
    木を削けずるヤリガンナ、ノミなども登場し、道具の進化によって建築 の技術も向上していったことがわかります。
    館内各所に設置せっちされている映像えいぞうナビで、道具の使い方などを詳くわしく見ることができます 棟梁の腕の見せ所、きれいな屋根のライン 「大工とスズメは軒で泣く」といわれるほど難しい手法の軒の模型  次は、大工の統率者とうそつしゃ「棟梁とうりょう」についてのコーナー。
    寺社建築では屋根が隅すみに行くほど反り上がっています。
    きれいな屋根のラインをつくる手法は難むずかしく、「大工とスズメは軒のきで泣く」という言葉があるほどです。
    ここが棟梁の腕うでの見せ所なのです  「道具と手仕事」のコーナーでは、墨汁ぼくじゅうに浸ひたした糸をはじくことでまっすぐな線が引ける「墨壺すみつぼ」などを展示。
    1943年の調査ちょうさでは、本格的ほんかくてきな建物を作るのに必要な道具は179点という結果が出ています。
    これを標準編成ひょうじゅんへんせいといいます。
    戦後は電動 工具の普及ふきゅうなどにより、必要な道具は減少げんしょうしていきました。
    海外との比較ひかくのコーナーでは、例たとえばカンナなどの道具を日本では引いて使いますが、世界では少数派しょうすうはで、押おして使う国が多いことに驚おどろきました。 木の香り体験、ヒノキ箸工作も ずらりと並んだ標準編成の大工道具 様々な木のにおいを確かめるジュニア記者  明治時代になり、戦いなどで使う刀が必要なくなると、一部の鍛冶かじ職人たちは大工道具作りに転向していきました。
    その中には「名工」と呼ばれる人たちも現あらわれます。
    実用道具にはとどまらない、作品としての大工道具が並ならびます。
    二代目宮野鉄之助みやのてつのすけの両刃りょうばノコギリは 光り輝かがやき、優美ゆうびささえ感じます。
    名工として有名な千代鶴是秀ちよづるこれひでの鍛冶場を再現した展示も見どころです  ヒノキやスギ、アカマツなど、様々さまざまな木の香かおりを体験できるコーナーもあります。
    木目、色、硬かたさなど、木にはそれぞれ特徴とくちょうがあり、適材適所てきざいてきしょで使い分けるのです  木工室では、工作キットを使用した木工体験ができます。
    ジュニア記者もヒノキの箸はし作りに挑戦ちょうせんしました。
    カンナを実際じっさいに扱あつかうことで、ものづくりの面白おもしろさと大変さを実感できました。
    「宮大工がいる博物館」として、ベテランの大工による体験教室なども開催かいさいされます  同館研究員の加藤悠希かとうゆうきさん(33)は「様々な展示から職人たちの技わざと思いを感じてほしい。
    技術とものづくりの精神せいしんを伝えていく場所になるとうれしい」と話します。
    現代げんだいは、多くの作業を機械で済すますことができます。
    しかし、伝統ある道具による手仕事ならではの温かみも あります。
    大工道具や建築の奥深おくぶかさを感じることができました。 日中韓の棟梁、「ものづくり精神」競演…巡回展 日中韓の建築模型などが展示された記念巡回展  日本、中国、韓国かんこくを代表する「棟梁」に迫せまり、それぞれの国の最高級の建築を模型などで紹介する開館30周年記念巡回じゅんかい展「日中韓 棟梁の技と心」が、12月28日まで開かれています  日本の小川三夫おがわみつおさんは、法輪寺三重塔ほうりんじさんじゅうのとうや薬師寺やくしじ金堂、西塔さいとうの再建で副棟梁を務つとめました。
    日本の建築の特徴である、仕上がりの美しさが伝わる薬師寺東院堂とういんどうの屋根などの構造を示した模型が展示されています。
    丁寧ていねいな仕事 ぶりを感じます  中国の李永革(り・えいかく)さんは故宮こきゅう博物院の修理しゅうりや復元ふくげんを手がけています。
    中国では宮殿きゅうでんを最高級の建築としており、紫禁城太和殿しきんじょうたいわでんの組み物模型からは、規範きはんを大切にするという中国の建築の特徴を感じます  韓国の申鷹秀シンウンスさんは、近年の宮殿工事に多く関かかわっています。
    韓国らしい軒の反りが見られる崇礼門すうれいもん(南大門)の構造模型や、組み物に彫刻ちょうこくで模様もようを施ほどこした模型が展示されています  同館研究員の加藤さんは「各国の建築の特徴を比較し、それぞれの国のものづくりの精神を感じてもらえれば」と話していました。
    <ヨミウリ・ジュニア・プレス取材班=中1・関慶志、中2・安岡恵吾、中3・林里穂、高2・長谷栞里記者> 2014年12月04日 08時00分 Copyright © The Yo fff:

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