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- ID:
- 31906
- 年:
- 2014
- 月日:
- 1126
- 見出し:
- 中高層木造ビル実現目指す、木材パネル耐性試験
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/local/miyazaki/20141127-OYS1T50031.html
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- 記事
-
県木材利用技術センター(都城市)は京都大などと共同で、国内ではこれまで認められていない、中高層の木造ビルを建築できる強度を持った木材パネル「CLT(直交集成板)」の耐性試験を進めている。
欧州発の新しい建築資材で、軽くて頑丈なのが特徴。
実用化されれば、木材の消費拡大につながると
期待されている。
共同研究は2011年度から始めた。
10月下旬から11月上旬にかけては、地震などを想定し、木板を5層重ねたCLT(縦1・3メートル、横4・4メートル、幅15センチ)に差し込んだボルトを油圧装置で引き抜いて接合部分のデータを収集、揺れに強い構造を探った。
今回の集成板は岡山県の業者が製造し
た。
センター副所長の小田久人さん(58)は「人口減少で住宅需要が減ることが予想され、CLTの技術確立を求める声は多い」と話す
日本CLT協会(東京)によると、1990年代半ばからオーストリアを中心に普及し、英国・ロンドンやイタリア・ミラノでは9階建てマンションが登場。
鉄筋コンクリートに代わる中高層建築の資材として注目を集めている。
CLTは強度が高く、断熱や耐火性も優れているとされる。
生産工場でパネルを切り、現場で組み立てるので工期も短縮される。
鉄筋コンクリート工法に必要な型枠工らの人材確保に悩むこともない
一方、国内では現在、建築基準法上の規定が設けられておらず、利用するには個別に申請する必要がある。
3月には国土交通省の認定を受け、高知県大豊町に3階建ての集合住宅が建てられた。
同省や林野庁は強度のデータを収集しており、2016年度をめどに工法関連の基準をまとめる方針だ
また、一般的な建材より割高な点も課題となっている。
県山村・木材振興課は「CLTは県産材の需要を呼び起こす大きな可能性を秘めている」と期待する。
県内のスギ素材生産量は23年連続全国1位で、13年の全国生産量(1090万立方メートル)の14%を占める。
一方で、戦後植えられた人工林が育ち、民有林のスギ18万ヘクタールのうち伐採期を迎
えた8齢級(樹齢36~40年)以上が75%に達しており、県は販路拡大を目指している。
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