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ID:
31868
年:
2014
月日:
1127
見出し:
那珂川の廃校 製材工場の熱利用 ウナギ3500匹 育った
新聞名:
東京新聞
元UR(アドレス):
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20141127/CK2014112702000162.html
写真:
【写真】
記事
木材を乾燥させるボイラーの熱を利用し、ウナギを養殖する実証実験が那珂川町で成功し、十二月にかけて初の出荷時期を迎えている。
化石燃料で熱を起こすよりもコストが抑えられる上、ウナギの成育も良好。
関係者はウナギを町の新たな観光資源にしようと、本格的な事業化に意欲を燃やしている。
( 大野暢子) 昨年から実験に取り組んできたのは、川魚販売業の「林屋川魚(かわうお)店」(那珂川町小川)。
代表取締役の小林博さん(49)にとって、希少価値が高まっているウナギの自社養殖は、数年来の夢だった しかし、ウナギの養殖は水温を二八度前後に保つ必要があり、那珂川町のような寒冷地では保温用の重油ボイラーが必要となる。
燃料費を考えると採算が合わず、小林さんは過去に一度、養殖を断念していた そんな中、廃校となっていた馬頭東中学校の敷地に二〇一一年、矢板市の木材加工会社が製材工場を建設。
山中に残された不要な伐採材を集めてチップに加工し木質バイオマス発電などに利用する計画だった 工場には木材乾燥用のボイラーも設置された。
小林さんは町を通じ、工場側がボイラーの熱の活用法を考えていると聞き、「ウナギの養殖に使わせてもらえないだろうか」と提案した ウナギの稚魚からの養殖は燃料費がかさむため、比較的涼しい千葉県から北の地域ではほとんど例がない。
しかし廃熱を使えば新たに燃料を燃やす必要はなくなるという考えだった 工場側もそのアイデアに注目し、養殖のために熱を無償で供給することを決定。
資源循環型の町づくりを目指している那珂川町も賛同し、養殖用のいけすが置けるように、廃校の空き教室を無料で貸し出した 小林さんは昨年十一月、いずれも木製で縦横五メートル、深さ一メートルのいけすと、縦横二メートル、深さ一メートルのいけす計四つを教室に設け、三月に〇・二グラムの稚魚六千匹を投入。
ボイラーの熱で温まった水が配管に送り込まれ、その配管の熱がいけすの水を温める。
いけすにガスが発生し、 多くのウナギが死んでしまう試練もあったが、地元の馬頭高校水産科や同業者から水のろ過に関する指導を受け、理想的な水質を追求した 九月には、収穫の目安となる約二百グラムの成魚に育ち、十二月までに約三千五百匹が出荷できる見通しになった。
収穫分の多くはPRのために地元住民に振る舞っており、「脂が乗っておいしい」「本当に那珂川町で育てたの」と驚きの声が寄せられているという 「教室は頑丈だから保温に適していたし、直射日光が当たらないのでアオコの発生を防げた」と小林さん。
来年は町内に新たな養殖場を造り、年間約六万匹の出荷を目指す。
工場から離れているため余熱は利用できないが、町内に豊富にある薪を燃料にしたボイラーを熱源にする計画だ fff:
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