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    ID:
    29515
    年:
    2014
    月日:
    0125
    見出し:
    暮らしの記憶残したい/つながる木っと代表・
    新聞名:
    河北新報
    元UR(アドレス):
    http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1096/20140125_01.htm
    写真:
    【写真】
    記事
    「震災がれき」はもともと、被災した人々が暮らした家や働く場所だった。
    大切な生活の記憶の断片を木工品にして後世に残そうと、佐藤ゆかりさん(42)=名取市=は合同会社「つながる木っと」を起こした。
    木工も会社経営も初めての経験だが、スタッフと共に知恵を絞り、廃材に再び命を与えている。 ◎「震災がれき」再利用、木工品製作 <主婦から転身>  「ウィーン、ウィーン」。
    電動糸のこがうなりを上げる。
    岩沼市東部にあるつながる木っとの工房で、製作スタッフが2月1日からの展示会へ向けて準備に追われている  つながる木っとは代表社員の佐藤さんが、2012年12月に設立した。
    震災が主婦だった佐藤さんに人生の転機をもたらした  自宅は名取市東部の牛野地区にある。
    津波被害は床下ぎりぎりで免れたが、周りの家は被災し、家だったはずの震災がれきが大量に流れてきた  パート先の職場は再開のめどが立たず、実家のある岩沼市でボランティア活動をしていた時、仙台空港近くでがれきを処理するリサイクル会社の社長と出会った。
    津波はかぶったものの、チップにするにはもったいないような廃材が大量にあると聞き、「自分に何かできないか」と思いを巡らせた  心に浮かんだのは、震災直後の光景だった。
    「家が流され、多くの人が亡くなった。
    何百年に1度の大災害を生きる私たちの経験を、形にして残したい」。
    廃材を再利用して、木工品を製造販売する決意をした。 <従業員は5人>  11年秋に被災地の復興を後押しする内閣府の起業支援金を得て、チェーンソーや糸のこなどの備品をそろえた。
    求人を出して木工ができるスタッフら5人を雇用し、昨年4月に事業を始めた  廃材は、起業のきっかけをくれたリサイクル会社から、放射能検査をして安全性が確認された物を買い入れている。
    くぎを抜き、細かく切って板に加工する。
    手始めにこいのぼりの置物を作り、市内の障害者施設が織ったさをり織りを巻いたところ、30個全てが完売した  交流サイト「フェイスブック」で情報発信すると、全国から途切れることなく注文が入った。
    出産祝いの組み木のおもちゃ、時計、鈴…。
    プロデザイナーの協力を得て、ヘドロで真っ黒になった丸太の表面を削り、テーブルやベンチも作った  名取市閖上の自宅が全壊した人から「新築の家で使いたい」と、テーブルの注文を受けたこともあった。
    佐藤さんは「家具でも小物でもいいから、震災前の思い出の形見になれたらうれしい」と話す <技術向上励む>  注文は1個からでも受ける。
    オーダーメードなので時間とコストが掛かるのが悩みの種。
    オリジナルの定番商品を作ることが、目下の目標という  起業から1年。
    「常にどこかにアンテナを張り、勢いだけで進んできました」と振り返る。
    被災地を離れると、震災の風化が進む。
    一人でも多くの人に震災の記憶をとどめてもらえるよう、試行錯誤しながら技術向上に励む fff:

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