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    ID:
    31201
    年:
    2014
    月日:
    0828
    見出し:
    国産木材利用/新技術テコに裾野の拡大を
    新聞名:
    河北新報
    元UR(アドレス):
    http://www.kahoku.co.jp/editorial/20140828_01.html
    写真:
    -
    記事
     豪雨による山崩れ・土砂災害の報道を目にする度に、無関係ではなかろうと思うのが里山の荒廃である。
    伐採-植林-間伐-伐採というサイクルで、きちんと手入れされ活用されなければ「山は腐る」といわれる  そうした事態を防ぐためにも木を切り利用する必要がある。
    木質バイオマス活用による再生可能エネルギー生産も視野に林業の再生を図らねばならない  そのことは雇用を生み、地域経済の活性化につながろう。
    同時に、産業としての林業振興にとどまらず、里山の生態系はよみがえり、水源かん養、二酸化炭素吸収といった機能を保全することにも結び付く  そうした多面的価値を森林が持ち続けるために不可欠なのは、木を広く利活用することだ  低層階の公共施設の木造化を自治体に促す法律が4年前に施行され、新築・改築される学校の木造化率は20%になった  国産材が見直されつつある中、注目したい動きがある  林野庁が来年度予算の概算要求に必要経費を盛り込み、「クロス・ラミネーテッド・ティンバー」(CLT)という新しい建築材の生産を始める企業を支援する方針を固めたことだ  CLTは板の繊維の方向が直角に交わるよう互い違いに重ね合わせ、厚いパネル状にした集成材。
    強度が高く断熱、耐火性に優れた建材という。
    組み立てが容易で工期も短縮できる  最大の特長は中高層階の木造建築が可能になることだ。
    欧州では、壁材・床材として使われ、既に9階建ての集合住宅やオフィスビルの建築が相次ぐ  国内では再来年度にも建築資材として認められる方向だ。
    現在は実証段階といえ、林野庁の企業支援は「解禁」に向け、専用設備を導入し量産化の態勢を整えておくための施策だ。
    東北では福島県内で本格的な事業展開を目指す動きがあり、ほかの県も強い関心を寄せている  木造の中高層建築が可能となれば、「都市の木質化」に道を開き、国産材の需要に大きく弾みがつくと期待される。
    CLTの早期実用化が待たれる  一方でCLTの残材は、間伐材と共にバイオマス発電や燃料のペレット生産に活用できる。
    そうなれば、エネルギーの地産地消も夢ではない  大震災に遭った東北では、林業の復興にも力が入る。
    登米、気仙沼、釜石各市を中心に、地域の木材を使い復興住宅や災害公営住宅の建築が進んでいる  そうした木材利用の裾野を各地で広げていきたい。
    そのことが、若い林業従事者が山に向かう「呼び水」にもなろう  経済効率を第一に安価な輸入材に頼って衰退した道のりを考えれば、林業再生の道は容易ではあるまい。
    だが、戦後造林されたスギやヒノキが伐採期を迎えている。
    今は、木を「使う」ときである。
    使わなければ、荒廃に歯止めはかからない  山を再生し森と共生することはこの国の「文化」を守ることにほかならない。
    そのことも踏まえ林業復興に取り組みたい fff:

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