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- ID:
- 30850
- 年:
- 2014
- 月日:
- 0710
- 見出し:
- 「ばたでん」木のぬくもり 14日から運行
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20140709-OYTNT50082.html
- 写真:
- 【イラスト】
- 記事
-
◇昔ながらの車内再現 出雲大社遷宮の勢い維持へ
木の香りが漂う車両で懐かしの電車旅を――。
一畑電車(本社・出雲市)は14日から、県産木材を使った部材で改装したレトロ電車の運転を始める。
出雲大社の「平成の大遷宮」に伴う利用者増を一過性のものにせず、新たな魅力で観光客の関心を集めるのが狙いだ。
新車両は13日にお披露目され
る。
(寺田航)
お披露目を前に一畑電車が公表した新車両の車内イメージ図。
内装に県産木材を取り入れている。
改装したのは、京王電鉄(同・東京都)から購入した「5000系」1編成(2両)。
県からの補助も受け、約3300万円をかけて県産材を使ったボックス席やテーブル、荷棚などを取り付けた。
万一の火災などに備え、特殊な薬剤で難燃処理し、国土交通省の安全基準をクリアした。
内装に木材を使った一畑の車両は、同省の基準に合わないことなどから2009年に営業運転を終えた「デハニ50形」以来。
全国約70社の私鉄が加盟する日本民営鉄道協会(東京都)は、内装に木材を使った電車
は全国でも数少ないとしている。
同社によると、年間利用者数は約140万人前後で推移しているが、「平成の大遷宮」で最も重要な祭事「本殿遷座祭せんざさい」が営まれた昨年度は約161万人に増えた。
しかし、今年度の利用者数は昨年度を下回る見込みだという。
同社の担当者は「木のぬくもりを感じる、昔ながらの車内を再現した。
遷宮効果の勢いを維持し、新車両で利用者増を」と意気込む
一方、県も同社の取り組みを歓迎する。
県土の8割を森林が占めるが、ロシア産木材の輸入や価格低迷などにより、県産木材の需要が低迷しているためだ
県によると、県内の林業の産出額は1990年度には159億4000万円だったが、2012年度は3分の1の52億9000万円に落ち込んだ
同社は昨春にも電鉄出雲市駅と雲州平田駅(いずれも出雲市)などに、県産木材でできたベンチを設置しており、県は「県外から訪れる観光客らに一畑電車を利用してもらい、島根の木材の良さをPRできれば」と期待している。
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