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- ID:
- 30378
- 年:
- 2014
- 月日:
- 0508
- 見出し:
- 木型職人の技:ガンダム木工で立つ 次は宇宙戦艦ヤマト
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mainichi.jp/select/news/20140508k0000e040282000c.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
埼玉県川口市上青木の木型職人、田島隆さん(77)が作った精巧な木製模型が話題になっている。
これまでに完成させたのは、全長1メートル以上の「戦艦大和」や「機動戦士ガンダム」など7点。
「木は人間と同じ。
それぞれに特徴がある」と田島さん。
評判を聞きつけた金融機関の支店から依頼され一部
の作品を貸し出しており、店舗を訪れた人は細部までこだわり抜いた「匠(たくみ)の技」に見入っている。
最初の作品「戦艦大和」に着手したのは2009年9月。
雑誌に掲載された写真などを手がかりに、司令所や大砲の位置などを書き込んで設計図を作り、船の本体部分は1枚の板から削り出した。
設計と制作に費やした時間は、延べ約800時間。
総部品数は約800点にのぼり、完成まで3年かかった。
全
長は1.3メートルで、本物の200分の1。
甲板上の飛行艇や船体脇に収納された小型ボートなども忠実に再現されている。
高さ1メートルの迫力あるガンダムは、大学3年生の孫、大山裕己さん(20)が持っていたプラモデルを参考にして作った。
脚部は固定されているが、上半身の肩や腕などが動く
田島さんは、父の乙五郎さんが鋳物師だった縁で、高校を中退して木型職人に弟子入りした。
毎日、午前8時から午後9時ごろまで働き、何度も失敗して叱られながら、見よう見まねで仕事を覚えて35歳で独立した。
最近の木型は機械による加工品が増えて仕事も減ってきたため、4年前に廃業を決意。
その後は「(木と関わりのある)仏像を作ろう」と考えていたが、知人から「木の模型は少ない。
おもしろいのでは」とアドバイスを受け、方向転換した。
他にも、ドイツBMW製のオートバイや蒸気機関車、飛行機などを制作。
マニアに人気のBMWは、エンジン部分や車輪の円形部を特殊なカンナを使って削り出した。
繊細なカーブの表現に、木型制作で用いる技術が生かされている。
「難しかった所は?」との質問に、田島さんは「16歳から仕事しているから
、特にない」と、職人の意地をのぞかせた。
仕事場は、今も昔のまま。
電動のこぎりや大小さまざまなカンナ、ノミなど130を超す道具類が残る。
田島さんは「木の特徴を見抜き、どう使うかが腕の見せ所。
次は『宇宙戦艦ヤマト』に挑戦したい」と若々しい笑顔を見せた
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