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- ID:
- 28009
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0628
- 見出し:
- 津島で浮世絵版木、初めて発見 天王祭が題材
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20130626/CK2013062602000048.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
五百年以上の歴史を誇る津島市の尾張津島天王祭を題材にした浮世絵版画の版木が、同市内の旧家から見つかった。
津島市立図書館によると、津島市で浮世絵の版木が見つかるのは初めて。
彫られた図柄から、これまでに確認されていない浮世絵のものとみられる
版木は二年前、旧家が蔵を整理していて見つけた。
箱などに保管されていたわけではなく、雑然と棚の上に置かれていた。
今月になって「珍しいものかもしれない」と思い、市立図書館に連絡して浮世絵の版木と分かった。
江戸時代後期のものとみられる
版木は二つあり、縦二十八センチ、横七十五センチと縦二十五センチ、横七十三センチ。
それぞれの表裏両面に二つずつ図柄が彫り込まれ、全部で八つ。
赤や藍色に染まり、実際に使われていたことを示す
彫られている図柄は多数のちょうちんを飾り付けた宵祭のまきわら船や、豪華な刺しゅうで装った朝祭の車楽(だんじり)船。
宵祭と朝祭の二つの版画を刷るための版木とみられる
この版木を使って刷られた浮世絵は見つかっておらず、完成した版画に記される出版元も分かっていない
江戸時代に河川交通の要所として栄えた津島は伊勢参りに向かう人々の往来があり、天王祭でもにぎわった
図書館の園田俊介副館長は市内では初めてとなる浮世絵の版木の発見に「うちわやちょうちん作りも盛んだった。
絵師や彫師といった職人集団がいたのでは」と推測する
津島を題材にした浮世絵版画は少なくとも三十二作品あるとされ、うち二十六作品は地元津島で出版されたとみられている
ただし、津島を描いた版画のうち、実物が確認されているのは二十三作品にとどまる。
園田副館長は「今回の発見をきっかけに、新たな版画が見つかれば」と期待を込める
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