v11.0
- ID:
- 27834
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0610
- 見出し:
- 線路の枕木火災、謎の続発 県内で5月以降3件
- 新聞名:
- 信濃毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.shinmai.co.jp/news/20130609/KT130607FTI090044000.php
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- 記事
-
県内のJR篠ノ井線や信越線で5月以降、木製の枕木やその周辺の下草が焼ける火災が3件相次いだ。
警察や消防が調べているが、いずれも原因は分かっていない。
同様の火災は富山県内で頻発しており、新潟県上越市でも今月4日に起きた。
乾燥した枕木にブレーキ時の火花が燃え移ったとの見方が
あるが、JR西日本による再現実験では発火しなかった。
枕木の火災は過去にも例があるが、これほど相次いだことはないといい、謎は解けていない
篠ノ井線坂北駅(東筑摩郡筑北村)付近では5月8日、ホームから北に約300メートル離れた枕木が燃えた。
焼けたのは枕木表面の直径30センチ、深さ2センチほどの範囲。
同17日に信越線牟礼駅(上水内郡飯綱町)で起きた火災では、上り線ホーム脇で直径15センチほどの範囲が深くえぐれるように
焼けた。
6月3日は松本駅(松本市)の篠ノ井線ホームの南約300メートルにある枕木から煙が上がり、駅員らが消し止めた。
JR各社によると、枕木などの火災は、これまでもまれにあった。
だが、長野市、松本広域の両消防局によると、ここ5年間、それぞれの管内では起きておらず、1カ月以内に3件の発生は異例だ
富山県ではさらに集中して発生している。
JR高岡駅でつながる城端(じょうはな)線と氷見(ひみ)線の計約46キロの区間で、5月6日~6月6日に21件発生。
氷見線越中国分駅(高岡市)では、5月26日午後0時半ごろに線路の間の下草から出火。
駆け付けた消防署員らは「早く原因が分かると対策を取
れるのだが…」と困惑していた。
こうした状況に、JR西日本は各駅の前後1キロ区間の枕木に難燃剤を塗ったり、同500メートル区間の下草を刈ったりして対応を始め、一部の駅には監視員を置いた。
一方、富山県警と5月に検討会を設置。
火災の共通点などの情報交換を始めている。
同社は、出火原因としてブレーキと車輪の摩擦で飛び散る火花に着目する。
鉄道工学などが専門の曽根悟・工学院大特任教授も、同様の見方。
火災が駅やカーブの手前など、列車が減速する場所で多発していると指摘、「乾燥注意報が出ている日の発生も目立つ」と話す
富山地方気象台によると、高岡市伏木の5月の降水量は平年の4割に満たない46・0ミリで、乾燥状態が続いたとみられる。
ただ、5月24日にJR西日本が行った再現実験ではブレーキの火花が原因とは断定できなかった。
火花は出たが、近くに置いた枯れ草から煙が上がることはなかった。
一連の火災について、富山県警は放火の可能性は低いとみている。
沿線の高岡署は、火災現場周辺の聞き込みで不審者情報はなかったと説明。
砺波署は、硬い枕木に短時間で火を付けるには助燃剤が必要とみているが、現場から油の反応は出なかったという。
長野県内で枕木が焼けた3件の火災について、JR東日本長野支社は「出火原因が分かっていない以上、対策のしようがない」。
鉄道総合技術研究所(東京)は、ブレーキが発熱したり、火花が出ることはあり得るとした上で、やはり原因は不明としている。
坂北駅での火災を調べている安曇野署によると、現場から油分は検出されず、放火などの可能性は低い。
牟礼駅と松本駅の火災を調べている長野中央、松本両署も原因は調査中としている
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