1. HOME
  2. 木の情報発信基地Top
  3. 7.木材林業
  4. 木材、木工ニュースアーカイブTop
  5.  
    ID:
    27637
    年:
    2013
    月日:
    0514
    見出し:
    日本でも本格的な普及が始まるか、木製サッシ
    新聞名:
    JB PRESS
    元UR(アドレス):
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37702
    写真:
    【写真】
    記事
    日本の住宅にもようやく2重窓が普及し始めた。
    しかし、実はせっかくの2重窓による大きな断熱効果も、意外なところに盲点があった。
    サッシである。  日本の住宅はアルミサッシがほとんど。
    アルミは金属の中でも軽くて加工がしやすいため、住宅の造り手には格好の材料だが、エアコンの熱交換器に使われているように、熱を極めて通しやすい特徴がある。  このため、せっかく2重窓にしてもこの部分から熱が大量に逃げ出してしまう。
    そういう理由もあって日本では2重窓の普及が遅れたとも言える。
    しかし、最近のエコ住宅への関心の高まりが、この分野の進化を促し始めた。  木製サッシの普及が始まったのだ。
    ここに木が使われるようになると、窓自体のさらなる進化も促す。
    窓を2重ではなく3重にしたり、ガラスとガラスの間に特殊なフィルムを入れたりして、徹底的に断熱効果を上げるようになってきた。  一方ではサッシの美しさにもこだわるようになってきた。
    山形県米沢市で金山杉などを使った木製サッシを作る木製サッシメーカーのアルスでは、今こなし切れないほどの注文が入っているという。
    まだコストが高いという欠点があるが、需要が本格化すれば、コストも大幅に下がる可能性がある。  木製サッシの将来についてアルスの高橋光雄社長に聞いた。
    世界のサッシは木製が主流。
    アルミ一辺倒の日本は窓もガラパゴス 「夢まど」ブランドの木製サッシを製造するアルスの高橋光雄代表取締役 川嶋 木製サッシを始められたのは2000年だということですが、それまでは何をされていたんですか 高橋 建具屋です。
    父が会社を起こしたのは1957年で、今の場所に引っ越して社名をアルスにしたのは93年。
    その後、2000年にドイツから機械を入れて木製サッシを始めました。  93年以前は小さな木工所でしたが、当時はまだ公共事業の仕事がけっこうあったんです。
    中学校などに室内建具を入れたりというボリュームのある案件も少なくなかった。
    こちらに移ってからもしばらくはそういう仕事をやっていました。  しかし、移転する前から合板、つまりベニヤを使った建具がだいぶ増えてきていました。
    本来は木の建具屋なのに合板の建具屋になっちゃってたんですね  合板はホルムアルデヒドが出るもんですから、工場の中で合板を切るとむせ返る社員が出てきました。
    細かい粒子が舞い上がって、それが喉に刺さって咳が止まらない 1234567 あなたの意見が民主党・海江田代表に届く!投稿はコチラから あなたのシャツ見られてますよ…“ブカブカ”シャツは仕事を逃す!? 《じぶん銀行カードローン》少しの贅沢を日常の中に。
    金利年4.6%~ 中部地区の企業を知るうえで必携の一冊! 『中経企業年鑑』DATABASE2011 CD-ROM付き 今なら、中部経済新聞社の最新刊をプレゼント ツール関連記事バックナンバーキーワード 0 inShare Share on Tumblr TOEIC700点以上の 英語スキルを活かす。
    これまで培った“経験”を別のフィールドで活かしたいとお思いの読者の皆様に、転職支援サービスをご案内します ツール関連記事バックナンバーキーワード powered by newziaコネクト 住宅不況も跳ね返す「木の窓」 (2009.05.08) 「窓」の断熱性能表示の一本化で ガラス、サッシ販売店の淘汰加… (2010.12.06) 世界有数の資源大国、ニッポン (2013.03.16) 住宅エコポイントを心待ち サッシ業界が断熱窓争奪戦へ (2010.02.03) 欧州の信用収縮:マネーマシンを修理せよ (2013.05.09) 住宅産業で世界一になれる日本の実力、その理由 (2013.03.26) ソチオリンピックに挑戦!町工場のボブスレー (2013.05.08) 世界半導体3強の主戦場はファンドリーへ (2013.05.13) 中国で増加する省エネ住宅とグリーンビルの建設 (2011.12.22) ニッポンの液晶はまだまだ強い (2013.05.13) ツール関連記事バックナンバーキーワード 日本の海は世界一豊かだ!海洋生物資源の計り知れない可能性 (2013.04.30) 東京スカイツリーに1軒だけある沖縄の店 (2013.04.15) 全力で「バカ」をやれば道が開ける、世界一のクラゲ水族館に学ぶ大逆転の秘策 (2013.02.13) 中心市街地に再びにぎわいを!一度は閉店した百貨店がまさかの復活 (2013.01.11) 気仙沼に誕生した「運命」の讃岐うどん (2012.11.15) 20年かけて売上を10倍にした町工場 (2012.04.02) 喧嘩上等のカメラ店が「ど素人」に教わった商売の極意 (2011.11.22) 知的障害者が人生を教えてくれる工場 (2011.08.10) 大型店舗に車の行列! 日本海からやって来た「規格外」の魚屋の秘密 (2010.05.10) ツール関連記事バックナンバーキーワード 「製造業」 「省エネ住宅」 「国内産業」 「中小企業」 「エコ住宅」 グローバリゼーション 海外進出 空洞化 鳥インフルエンザ チャイニーズドリーム 原発事故 ソーシャルメディア プロパガンダ 日米安保 経済制裁 黒田東彦 核実験 反日デモ 核心的利益 ナショナリズム 弾道ミサイル 大気汚染 兼業農家 日米同盟 スマートフォン 日本維新の会 債務危機 財政再建 核の傘 文化大革命 量的緩和 尖閣諸島 円安 憲法改正 リーダーシップ 東日本大震災 情報公開 ミサイル発射 失業率 公的債務 インフレ目標 マーケティング 金融緩和 核兵器 タブレット端末 1234567 川嶋 危険ですね 高橋 ええ。
    本来健康的なはずの建具屋さんがそういう状況でしたから、無垢の木を扱う商売はできないものかなと考えていました。
    こちらに移る10年前くらいからですかね 川嶋 木製サッシとはどこで出合ったんですか 高橋 北海道の旭川木工協同組合の工場を見せていただく機会があったんですが、そこでシウリザクラで木製サッシを作っていたんです。
    私はアルミサッシしか知らなかったので驚きました。 世界のサッシにおける素材別シェア 出典:日本サッシ協会住宅用建材使用状況調査・平成24年3月、日本板硝子調査(2011年)2010/2011 U.S. National Statistical Review and Forecast、Windows in Europe 2005(Interconnection Consulting Group)拡大画像表示  シウリザクラはきれいですし、何より外部に木を使ったサッシってものがあるのかと。
    これは是非やりたいと思って、いろいろ資料を集めました。
    それで分かったのは世界の窓は木製が主流だってことです  実際サッシのシェアを見ると、北欧は半分以上が木製。
    アメリカは20%ほど、韓国だって8%は木製です。
    アルミがほとんどの日本だけが特異なんだと分かった。 川嶋 木製サッシというとスウェーデン住宅とかのイメージですよね。
    北欧系の寒いところだと、木製が標準になっている。
    木材の熱伝導率がアルミの約1500分の1と聞けば、それもうなずけます 高橋 北欧にはアルミだけのサッシはないと思いますね。
    凍りついちゃいますから fff:
川嶋 海外では木製じゃないといけないと決まっていて、その市場も産業もある。
なのに日本ではなんでアルミばかりなのかが不思議です 高橋 アルミサッシが出る前の時代、うちの親父が創業したころの建具屋は、大工さんが作った枠に雨戸とかガラス戸とかを作って入れたわけです。
でもそれでは雨や雪が入ってくるし、寒いんですね  そこで高度成長とともに、アルミメーカーが気密性の高いアルミサッシを規格化して出してきた。
アルミサッシの出始めは、建具屋さんが供給されたアルミサッシの部材を組んではめ込んでいたそうです。
うちの親父はやっていませんが 川嶋 住宅の工業化が進む中、アルミサッシ業界も大きなところ3つくらいの寡占状態になった。
そんなこともあって木製サッシはなかなか登場しなかったのかもしれませんね 1234567 中部地区の企業を知るうえで必携の一冊! 『中経企業年鑑』DATABASE2011 CD-ROM付き 今なら、中部経済新聞社の最新刊をプレゼント 1234567 目利きも唸る仕上がりは、建具屋として培った木工技術の賜 高橋 木製サッシのことを知ったころは、まだ公共事業の仕事が多くて忙しかったんです。
作りたいと思いながらタイミングをうかがっていました。 川嶋 そのチャンスが訪れたのが2000年なんですね 高橋 はい、中小企業経営革新補助事業に採択されたのがきっかけです。
国と県から計画支援の補助事業に採択されて、木製サッシの性能試験を受けました。 数多くの種類がある木製サッシ加工用の刃物  そのときにドイツから木製サッシ用の機械や刃物などを購入しました。
既存の木工建具の機械でもできないことはないんですが、水溜りができないように加工したり、一発でしっかり組み上げるようなところがうまくいかないんですね  使う部材も大きくなりますし、ちゃんとした機械を使って最初からしっかりしたものを提供していかないとお客さんに認められませんから、思い切って 川嶋 滑り出しはどうでしたか 高橋 最初はなかなか売れませんでした。
いざ作って試験を受けると、フィックス(はめ殺し)でさえ水漏れが起きることが分かったりしまして。
隙間はないはずなのに、気圧をかける試験をすると水が溢れたりするんです  そういう課題を一つひとつクリアしていきました。
そのうちタイミングよく建築家の内藤廣先生の物件に使っていただけた。
それは2001年のことです  2000年に木製サッシを作り始めたとき、雑誌「新建築」編集長の橋本(純)さんが増築されたんですね、そこに3カ所くらい木製窓を使ったんですが、その時の設計が内藤廣先生だったんです  内藤先生や橋本さんとは初対面でしたが、橋本さんの増築を受注したのが山形の升川建設の東京支店で、たまたまそこにいた私の友人が、お前のところで木製サッシを始めたそうじゃないかと声をかけてくれて 川嶋 木製サッシでは北海道にライバルがいましたよね 高橋 ええ。
両方を見てアルスのほうがいいと選んでくださったんです。
内藤先生は木製サッシを頻繁に使っている方なんですけれど、仕上げとコストの両面で評価していただきました。  そんなご縁で内藤先生が設計した栃木県益子町のフォレスト益子という施設の施工などにも関わらせていただきました。 1234567 中部地区の企業を知るうえで必携の一冊! 『中経企業年鑑』DATABASE2011 CD-ROM付き 今なら、中部経済新聞社の最新刊をプレゼント 1234567 熟練した職人がアルスの強み 川嶋 他社と比べてどのあたりが違うのか。
そして、どうしてそういう技術が磨かれるんでしょうか 高橋 木工技術の精度ですかね。
ウチの一番のベテランは建具屋の時代からもう45年やってますから、要は木の扱いが違うんです。
それに、建具を作っていたときから、ほかの仕事仲間には負けたくない、一番上でいたいと思ってやってきました。  考え方なんかも含めてですが、何より技術では負けないという思いと、そしてプライドもあった。
東北の建具展なんかに出品して入賞したりもしてましたし。
繊細な作業は得意なわけです 川嶋 お父さんの時代から積み上げてきた、建具屋さんとしての技術の高さということですね 熱貫流率「1」を切る品質。
高断熱の外壁と合わせれば無暖房住宅も 川嶋 木製サッシメーカーとして、御社の技術力は日本一と言っていいわけですね 高橋 品質には全般に自信を持っていますが、特に断熱性で言えばそうですね。
3月の金山杉サミット(PDF)に持っていった3重窓なんかは自信作です。
熱貫流率が1w/m2Kを切りましたから。
具体的にはU=0.94w/m2K*1です(U:熱貫流率) *1熱貫流率(U値)とは、ガラスの内外の温度差が1度の場合、1時間あたりガラス1m2 を通過する熱量をワットで表したもの。
数値が小さいほど断熱性に優れていることを表す。
単位は「W/m2K(ワット・パー・平米・ケルビン) 川嶋 何か特殊な加工がしてあるんですか 高橋 ガラスの内側にアルゴンガスとダブルローイー(low-E*2:低放射)フィルムが入っています。
そうしないと1は切れません *2Emissivity(放射率) 川嶋 熱貫流率が1を切るというのはどういうことなんでしょう。 高橋 断熱性能で言えば通常のアルミサッシの3~4倍くらい、熱貫流率は2重窓アルミサッシの3分の1くらいです  ちなみに外壁の熱抵抗値は、200ミリ断熱(一般的な住宅の外壁の断熱材の厚さの2倍)で窓の10倍くらいあります。
つまり、熱を逃がすという意味で窓は家の一番の弱点なんですね。
ドイツのパッシブハウス用のサッシなんか、熱貫流率で言うと0.7くらいが当たり前です 1234567 中部地区の企業を知るうえで必携の一冊! 『中経企業年鑑』DATABASE2011 CD-ROM付き 今なら、中部経済新聞社の最新刊をプレゼント 1234567 川嶋 どうしてそんなに低くなるんですか ドイツ製の機械で加工された窓枠 高橋 作り方が違うんです。
木と木の間に断熱材をはめ込んだりします。
あちらではガラスも熱貫流率0.5のスーパーガラスなんてのがある。
ちょっと胡散臭いんですが(笑)  熱貫流率で国内トップなのは0.8を切る飯田ウッドワークシステムでしょう。
あちらはフレームにもいろいろ工夫されていると思います 川嶋 ドイツのように断熱材や発泡スチロールを入れたり 高橋 かもしれません。
何かしら加えないと出ない数字だと思います。
ウチは木とガラス、そのままの素材ですが、それはコストと健康上の問題を考え合わせてのことです 川嶋 ガラス自体の性能で言うと、日本はまだ遅れているんでしょうか 高橋 いや、ガラスメーカーとして旭硝子は世界一ですし、日本板硝子は3番目です。
技術に遜色はないんですが、最近まで建築分野に断熱用のガラスを持ってきていなかったんです  そもそもアルミサッシじゃ断熱性もへったくれもありませんからね。
ガラスに手をかけても意味がないわけですよ 川嶋 なるほど。
アルミから熱が逃げるから2重窓も3重窓も意味がないわけだ 高橋 そうなんです。
ようやくメーカーがいろんなガラスを用意してきて、トリプルガラスにも対応するようになってきました。  例えば、外壁を200ミリ断熱にしてウチが作ってるようなサッシをつけて、換気にも気をつかえば、東京あたりなら無暖房住宅だってできますよ 川嶋 車に乗るのをやめるとかではなくて、それこそが本当のエコですよね 変化しつつある住宅に対する意識。
今後の課題は規格化、量産化 川嶋 これからの課題は何でしょう。 高橋 やはり価格ですね。
今はすべてオーダーで作っていますので、アルミサッシの3~5倍です。
建築界の方々に話を聞くと、アルミサッシの1.5倍まで下がればどんどん使えるねと言われます
先頭 前ページ 次ページ 最後

▲目次に戻る

創業1911年 
587-0042 大阪府堺市美原区木材通1-11-13 TEL:072-361-5501 FAX:072-362-3341
お問い合わせ  著作権・サイト関係  サイトマップ  迷子になった場合  V6.0
©2021 中川木材産業オンラインショップ  All Rights Reserved.